ジャック・カスト

ジョン・ジョゼフ・カスト3世（John Joseph Cust III）は、1979年1月16日、アメリカ合衆国ニュージャージー州フレミントン出身の元プロ野球選手です。主に外野手や指名打者として活躍しました。

プロ入りとメジャーデビュー

1997年のMLBドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスから1巡目（全体30番目）で指名され入団。ルーキーリーグでは高い出塁率.447を記録しました。2001年にメジャーデビューを果たしますが、出場は3試合に留まります。

移籍を繰り返す

2002年1月、マイク・マイヤーズ投手とのトレードで、JD・クロッサー捕手と共にコロラド・ロッキーズへ移籍。その後、2003年にボルチモア・オリオールズへ、2004年にはオークランド・アスレチックスとマイナー契約、2005年にはサンディエゴ・パドレスとマイナー契約を締結するなど、チームを転々としました。

アスレチックスでの活躍

2007年、パドレス傘下のマイナーリーグに所属していたところを、アスレチックスのビリー・ビーンGMに再び見出されます。故障者リスト入りしたマイク・ピアッツァの代役として指名打者で出場すると、10試合で7本塁打を放つ活躍を見せ、メジャーに定着しました。この頃から、カストは打率は低いものの、四球と本塁打が多く、出塁率とOPSが高いという特徴を示すようになります。2007年には、105四球を選びリーグ2位、出塁率.408はリーグ7位を記録しました。

2008年は148試合に出場し、打率.231、33本塁打、OPS.851の成績を残します。1本塁打あたりの所要打数はリーグ3位の14.6打数を記録。また、リーグ最多の111四球を選ぶ一方で、リーグ新記録となる197三振も記録しました。

2009年も149試合に出場し、打率.240、25本塁打、OPS.773を記録。3年連続でリーグ最多三振を記録しています。シーズン後にはFAとなりました。

キャリア晩年

2010年、アスレチックスと再契約しますが、シーズン途中で40人枠から外れます。その後メジャーに復帰し、112試合に出場。打率.272、13本塁打、OPS.834の成績を残しますが、オフに契約を提示されず、ノンテンダーFAとなります。2011年にはシアトル・マリナーズと契約しますが、シーズン途中に解雇。その後フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結ぶも解雇されます。2012年以降はヒューストン・アストロズ、ニューヨーク・ヤンキース、トロント・ブルージェイズなど複数のチームとマイナー契約を結びましたが、メジャーに昇格することはありませんでした。

選手としての特徴

カストは、打率は低いものの、四球が多く出塁率が高いという特徴を持つ選手でした。また、本塁打も多く、長打力も兼ね備えていました。一方で、三振が非常に多いという弱点もありました。

薬物疑惑

2007年に発表されたミッチェル報告書で、2003年にオリオールズ傘下AAA級に所属していた際、チームメイトのラリー・ビグビーとステロイドに関する会話をしたとされる疑惑が浮上しました。カストは、ビグビーにアナボリックステロイドを試した経験があるか尋ね、自身も使用経験があると話したとされています。カストは薬物を調達できるとも発言しましたが、ビグビーは既に提供者がいると答えたとされています。しかし、カスト本人はこれらの証言を完全に否定しています。

詳細情報

カストの年度別打撃成績やその他の詳細な情報は、以下のサイトで確認できます。

MLB , ESPN , Baseball-Reference , Fangraphs , The Baseball Cube , Baseball-Reference (Register)

また、カストは「ジャック・カストの野球アカデミー」を運営していました。

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