ジャノメチョウ

ジャノメチョウ（蛇目蝶）

ジャノメチョウ（学名：Minois dryas）は、タテハ[[チョウ科]]ジャノメチョウ亜科に分類されるチョウの一種です。その名の通り、翅にある蛇の目のような模様が特徴的です。

特徴

ジャノメチョウは、ジャノメチョウ亜科の中では比較的よく見られる種類で、ヒメウラナミジャノメと並んでポピュラーな存在です。翅の表も裏も一様に茶褐色で、前翅には2つ、後翅には1つの眼状紋があります。他のジャノメチョウ亜科の蝶に見られるような金色の輪郭がないため、眼状紋はあまり目立ちません。前翅の長さは28～42mm程度で、メスはオスよりも大きく、翅が丸みを帯びています。

生態

幼虫はイネ科のススキ、スズメノカタビラ、ノガリヤス、カヤツリグサ科のヒカゲスゲ、ショウジョウズゲなどを食草とします。成虫は、食草の近くの草地に卵を産み付けます。幼虫は1～3齢の状態で越冬し、年一回発生します。成虫は7月から9月にかけて見られ、草原をゆるやかに飛び回ります。樹液や獣糞、腐果によく集まるほか、ジャノメチョウ亜科では珍しく、ノアザミやヒメジョオンなどの花の蜜も吸います。

分布

ユーラシア大陸の温帯域に広く分布しており、日本では北海道、本州、四国、九州、対馬に生息しています。市街地を除く様々な環境で見ることができ、比較的適応能力の高い蝶と言えるでしょう。

食草

幼虫は以下の植物を食草とします。

イネ科：ススキ、スズメノカタビラ、ノガリヤス
カヤツリグサ科：ヒカゲスゲ、ショウジョウズゲ

参考文献

猪又敏男（編・解説）、松本克臣（写真）『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年6月。ISBN 4-635-06062-4。
須田真一、永幡嘉之、中村康弘、長谷川大、矢野勝也 著、日本チョウ類保全協会 編『日本のチョウ』誠文堂新光社〈フィールドガイド〉、2012年4月30日。ISBN 978-4416712030。
日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2。
蛭川憲男『日本のチョウ　成虫・幼虫図鑑』メイツ出版、2013年4月。ISBN 978-4780413120。
牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6。

関連項目

タテハ[[チョウ科]]
イネ科
ススキ

外部リンク

* 日本のレッドデータ検索・ジャノメチョウ - エンビジョン環境保全事務局 (参照: 2014年6月16日)

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