ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ

一般社団法人ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ

一般社団法人ジャパン・マーシャルアーツ・ディレクターズ（Japan Martialarts Directors、略称：JMD）は、日本のムエタイおよびキックボクシング界において、特定の統括団体や連盟ではなく、試合の公正な実施を管理・監視するコミッション組織として活動しています。日本語での別称として「一般社団法人日本格闘技理事会」とも呼ばれます。2010年に設立され、藤原敏男氏が理事長を務めています。

設立経緯と初期の活動

JMDの設立は、2010年1月23日にディファ有明で行われたM-1 MCとクロスポイントによる合同興行「REBELS」の終了後に発表されました。主な活動目的は、日本国内で開催される世界プロムエタイ連盟（WPMF）公認ルールの試合を管理・監視し、そのために必要な審判員を派遣することにあります。WPMF本部からの協力も得ており、タイのWPMF本部から日本ランキングの認定を受けています。

JMD管理下での最初の興行は、同年3月21日に開催された「M-1ムエタイチャレンジ」（M-1）でした。以降、この管理下でWPMF日本ランキング査定試合が継続的に実施されることとなりました。設立に先立つ3月15日には、タイ国レフェリー協会のブンソン最高責任者を招き、レフェリー向けの講習会を実施。さらに3月28日には、JMDとして初めてのプロテストも行われました。ランキングの整備も進められ、5月6日には11階級のWPMF日本暫定ランキングが、6月1日には12階級の正規ランキングが発表されました。これにより、スーパーバンタム級の梅野源治選手らを皮切りに、WPMF日本初代チャンピオンが順次誕生していくことになります。

加盟団体と活動範囲の拡大

JMDの活動開始当初は、M-1とREBELSが主要な参加興行でした。その後、WPMFルールを採用するムエロークが加わり、さらに地方のプロモーターも次々と参加を表明しました。これにより、JMDの加盟団体は着実に増加し、日本国内で行われるWPMFルールの試合の大部分がJMDの統括下に置かれる体制が構築されました。

ムエタイルールだけでなく、設立当時は異なるルールのキックボクシング組織であるRISEも参加していました。これは、当時のREBELS代表であった山口元気氏がRISEにも関わっていたことが背景にあります。しかし、組織変更を経てRISEは2011年にJMDから離脱しました。これに代わるように、翌年の旗揚げを目指して活動を開始したIT'S SHOWTIME JAPANや、キックボクシング界の老舗であるマーシャルアーツ日本キックボクシング連盟がJMDに加わっています。

2012年6月24日のM-1興行からは、プロライセンス制度が導入され、選手の活動環境の整備も進められています。主要な参加興行には、ジャパン・キックボクシング・イノベーションや藤原祭りなどがあります。

プロテスト

JMDのプロテストは、年間3回程度、主にウィラサクレックフェアテックス天王台ジム（M-1管轄）にて実施されています。受験資格は、36歳までの義務教育を修了した男女です。所属ジムの許可が必要となりますが、特定のジムに所属していないフリーの受験者も受け入れられています。

WPMF日本ルールとランキング

JMDが管轄するWPMF日本公認ルールは、基本的な部分でWPMFの国際ルールに準拠していますが、ノンタイトル戦に限り、対戦する選手間の合意があれば肘打ちなしに変更することも認められています。

WPMF日本ランキングの制定においては、「WPMF日本ランキング制定委員会」が決定権を持っています。この委員会は、WPMF日本支局、JMD、および格闘技メディア関係者によって構成されています。外国人選手がランキング入りするためには、日本のジムに所属し、かつ日本に1年以上在住していることが最低限の条件となります。また、NJKFやJ-NETWORKといった他のプロモーションに所属するジムの選手がWPMF関連の公式戦に出場し、ランキング対象となるためには、WPMF関係での公式戦を行う明確な意思表示と、所属するプロモーションが必要とする許可を得ることが求められます。

階級については、男子および女子でそれぞれ定められたWPMFの階級制が採用されています。これにより、国内外の基準に沿った公平なランキングシステムが運用されています。

もう一度検索