ジャワ級軽巡洋艦

ジャワ級軽巡洋艦

ジャワ級軽巡洋艦（オランダ語: Lichte kruisers van de Javaklasse）は、オランダ海軍が設計した艦級です。その名はオランダの植民地であったジャワに由来し、同型艦のスマトラ（Hr.Ms. Sumatra）も存在しましたが、3番艦のセレベス（Hr.Ms. Celebes）は完成を見ませんでした。この艦級は第一次世界大戦前に計画されたものの、戦争の影響で就役は終戦後にずれ込みました。

概要

本級はオランダ海軍が自らの植民地の安全を守るために建造したもので、初期の1915年から1916年にかけての海軍計画で2隻が予定され、また1917年から1918年にかけて1隻が追加で計画されていました。しかし、第一次世界大戦の影響により、その計画は中断されました。本級は当時の仮想敵国である大日本帝国に対抗するための艦艇でした。設計にはドイツのクルップ社が協力し、当時の最新型であった筑摩型防護巡洋艦に対抗できる性能を目指していました。でも建造が進む中で、戦争の影響により材料が不足し、艦艇の完成は1920年代にずれ込むことになりました。

艦形

この巡洋艦は、植民地での使用を念頭においた長船首楼型の設計が特徴です。高い乾舷と波浪に強い船体は、特に波の強い東南アジアの海域での運用を考慮して設計されています。主砲は艦首甲板に配置され、2基のボフォース製15cm速射砲を搭載しています。また、艦の中央部には2本の煙突が立ち、その周りには艦載艇のスペースがあります。主砲以外にも、艦尾には機雷投下用のレールが設けられています。

就役後、1926年には水上機を搭載し、1934年から1935年にかけて近代化改装が行われました。この改装により、マストや見張り所が強化され、対空火器も追加されました。

武装

主砲にはボフォース社製の新設計15cm（50口径）速射砲を採用しており、これにより多角度からの装填が可能でした。対空火器には、ボフォース製の7.5cm（55口径）高角砲を4基配置しています。魚雷は装備しておらず、代わりに機雷を搭載し、常に12発の機雷を装備可能でした。1930年代の近代化改装では、主砲が全て撤去され、新たにボフォース社製の40mm機関砲を搭載しました。

機関

この艦級の機関は、ボイラーにシュルツ・ソーニクロフト式の石炭・重油混焼型を使用しており、「ジャワ」と「スマトラ」では異なるタービンシステムが採用されています。ジャワはクルップ・ゲルマニア式、スマトラはゾェリィ式を搭載しました。燃料は主に重油で、相応の航続性能を提供しました。

艦歴

ジャワ（Hr.Ms. Java）は1916年5月31日に起工し、1925年に就役しました。スマトラ（Hr.Ms. Sumatra）も同様のスケジュールで進水し、1926年に就役。その後、ジャワは宗主国の植民地防衛に従事しましたが、第二次世界大戦に突入し、特に日本海軍との交戦に巻き込まれました。

スラバヤ沖海戦において、ジャワは敵重巡洋艦に攻撃され、沈没しました。スマトラはオランダ降伏後、イギリスに逃げた後に東インドでの任務に就きましたが、最後はノルマンディー上陸作戦中に沈められました。

このように、ジャワ級軽巡洋艦は歴史の中で重要な役割を果たしながらも、多くの困難に直面しました。

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