ジャン＝ランベール・タリアン

ジャン＝ランベール・タリアンについて

ジャン＝ランベール・タリアン（Jean-Lambert Tallien, 1762年1月23日 - 1820年11月16日）は、フランス革命時代における著名な政治家であり、革命の指導者として知られています。彼の名は、特に1794年のテルミドールのクーデターにおける彼の活躍によって記憶されています。タリアンの人生は、革命の波に翻弄され、自らの信念と愛に基づく決断によって彩られています。

生い立ちと初期の活動

タリアンは1762年にパリの旅館の息子として生まれました。若い頃から教育を受け、弁護士の書記としてキャリアをスタートしました。彼は多くの著名な革命支持者の中で活動し、1791年には自らの会報「市民の友」を発刊しました。この時期、彼はジャコバン派に加入し、政治活動に積極的に参与するようになります。

1792年、タリアンはテュイルリー宮殿の襲撃に加わり、その後、パリ・コミューンの書記に任命されました。さらに、九月虐殺にも関与し、国民公会の議員に選出されました。国民公会では山岳派に属し、国王の処刑に賛成するなど、急進的な立場を取ったことで知られています。

テレーズ・カバリュスとの出会い

1793年、彼はボルドーに派遣され、反革命派に対する粛清を実施しました。この際に出会ったのが、元侯爵夫人テレーズ・カバリュスであり、二人は愛人関係となります。タリアンは彼女の影響を受け、彼自身の政治的圧力を和らげるようになりますが、それが結果として彼にとっての危険をもたらします。テレーズが投獄されたことで、タリアンは彼女を救うための行動を強いられました。

テルミドールのクーデター

テレーズとの手紙のやりとりの中で、タリアンは保身と愛する人の命を救うために、テルミドールのクーデターに参加することを決断します。1794年に議会に登壇した彼は、「暴君を打倒せよ」と叫び、ロベスピエールを激しく非難します。彼のこの演説は、クーデターの成功に大きく寄与し、結果的にロベスピエールの失脚へと繋がったのです。

結婚と権力の喪失

クーデター成功後、タリアンは1794年12月にテレーズと結婚し、周囲から祝福されます。その後、彼はブルジョワの青年たちを扇動してジャコバン・クラブを襲撃させるなど、権力を振るいますが、穏健派からも急進派からも次第に支持を失っていきました。結局、彼は1年もたたずに権力を失うことになります。

総裁政府期には五百人会議の議員として活動するも、彼の運命はさらに波乱の展開を迎えます。ナポレオンのエジプト遠征には経済学担当として調査団に参加しますが、帰路においてイギリス軍に捕らえられ、ロンドンに送致されることとなります。

余生と最期

1802年に帰国したタリアンは、結婚してから自由に振舞うテレーズとの関係が悪化し、最終的に離婚することとなります。1806年には公職に復帰しますが、身を引くことが続き、体調を崩し、視力を失うなどの不運に見舞われます。

1814年、王政復古の際には、ルイ16世の裁判で死刑に投票したとして国外追放の危機を迎えますが、病気を理由に赦免され、1820年に貧しい生活の中でこの世を去ります。タリアンの人生は、波乱に満ちたフランス革命の象徴とも言えるものであり、彼の行動や選択は歴史の中で重要な教訓となっています。

関連作品

• - 『皇帝ナポレオン』（小説、藤本ひとみ著）
• - 『愛と欲望の果てに/ドレスの下のフランス革命』（1989年、長編TVムービー）
• - 『ナポレオン -獅子の時代-』（漫画、長谷川哲也著）
• - 『欲望の聖女　令嬢テレジア』（漫画、森園みるく著）

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