ジャン＝ルイ・ロワ

ジャン＝ルイ・ロワ：スイスの映像作家

ジャン＝ルイ・ロワ（Jean-Louis Roy, 1938年 - 2020年3月29日）は、スイスを代表する映画監督です。特に、セルジュ・ゲンスブールが音楽と出演を務めた1967年の映画『シャンディゴールの見知らぬ男』の監督としてその名を知られています。この作品は日本では未公開ですが、彼の映画作家としての才能を示す重要な作品です。

テレビ界でのキャリア

ロワは16歳という若さでジュネーヴのフランス語テレビ局、テレヴィジオン・スイス・ロマンド（TSR）に入局しました。最初は撮影や編集を担当し、その後、25歳で演出家へと転身しました。この初期の経験が、彼の映像制作における確かな土台を築いたと言えるでしょう。TSRではドキュメンタリーを中心に制作し、2001年にはドキュメンタリー傑作選『Portraits passion』を企画、2006年に定年退職するまで、テレビマンとして活躍しました。

映画監督としての活動

1968年、29歳の時に、ロワは脚本・監督を務めた『シャンディゴールの見知らぬ男』をフランスで公開しました。この作品は、マリー＝フランス・ボワイエが主演し、セルジュ・ゲンスブールも出演するという豪華なキャスティングで話題になりました。脚本家のガブリエル・アルーが脚本なしで製作に参加し、ジェームズ・ボンドを彷彿とさせるスパイ映画として、1967年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されました。

1968年には、TSRで出会ったアラン・タネール、クロード・ゴレッタらと共に「グループ5」を結成。ロワはグループ内で最年少でしたが、その豊富な現場経験から中心的な役割を担いました。1970年には、ロワが脚本・監督を務めた『ブラック・アウト』がベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されました。この作品では、後にレオス・カラックス監督の『ボーイ・ミーツ・ガール』をプロデュースすることになるパトリシア・モラーズと共同で脚本を執筆しました。

寡作ながらも国際的な評価

ロワはテレビ業界での活動が中心であったため、映画監督としては寡作でした。しかし、その作品は国際的な映画祭で評価されており、映画ファンにとっては見逃せない存在です。日本ではまだ商業公開された作品はありませんが、その芸術性は高く評価されています。

フィルモグラフィー

Happy end（1964年）
シャンディゴールの見知らぬ男（1967年） - 脚本・監督
ブラック・アウト（1971年） - 脚本・監督
L'Indien des Acacias（1972年） - ドキュメンタリー
La maison des souvenirs（1973年） - ドキュメンタリー
Talou（1981年） - テレビ映画、脚本・監督
Romands d'amour（1983年） - ドキュメンタリー
Portraits passion（2001年） - テレビドキュメンタリーシリーズ

外部リンク

ジャン＝ルイ・ロワ - IMDb（英語）
Jean-Louis Roy - TSR公式サイトの情報ページ

ジャン＝ルイ・ロワは、テレビと映画の両分野で活躍した才能あふれる映像作家であり、彼の作品は今後も多くの人々に影響を与え続けるでしょう。

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