ジュディ・ジョンソン

ジュディ・ジョンソン（William Julius "Judy" Johnson、1900年10月20日 - 1989年6月15日）は、20世紀初頭にアメリカのニグロリーグで名を馳せた野球選手です。主に三塁手として活躍し、右投げ右打ちでした。メリーランド州スノーヒルで生まれ、その野球人生をスタートさせました。

ジョンソンは身長約180cm、体重約68kgと、当時の選手としては比較的細身の体格でした。内気で口数が少なかったと伝えられていますが、その実力は誰もが認めるところでした。第一次世界大戦中は港湾労働者として働き、その後野球の世界へ足を踏み入れました。野球を始めた当初、ジョン・ヘンリー・ロイドから内野守備をはじめとする様々な技術を徹底的に教え込まれました。その結果、1921年にはトップリーグで活躍するまでになり、打撃も目覚ましい成長を遂げました。1918年当初は2割台前半だった打率が、1923年には.391まで上昇し、所属していたヒルデール・デイジーズのイースタン・カラード・リーグ初制覇に大きく貢献しました。

1924年には打率.324を記録し、ニグロ・ワールド・シリーズでも16安打8打点と活躍しました。その後もコンスタントに3割以上の打率を維持していましたが、1926年8月に頭部への死球を受けて負傷し、1929年シーズンまで打撃不振に苦しみました。

しかし、ジョンソンは不屈の精神で復活を遂げます。1930年にホームステッド・グレイズへ移籍すると、打率.390を記録し、再びその実力を証明しました。1932年途中からはピッツバーグ・クロフォーズでプレーし、サチェル・ペイジやクール・パパ・ベルといった多くの名選手と共にプレーしました。1935年には、監督のオスカー・チャールストンによってチームのキャプテンに指名されました。これは、ジョンソンがプレッシャーのかかる場面でこそ優れたパフォーマンスを発揮することが評価された結果でした。同年のニグロ・ワールド・シリーズでは、優勝を決める決勝打を放ち、チームをシリーズ制覇に導きました。

1937年まで現役を続けたジョンソンは、引退後、メジャーリーグがアフリカ系アメリカ人を受け入れ始めると、1954年にフィラデルフィア・アスレチックスで初のアフリカ系アメリカ人コーチとなり、その後はスカウトとして活躍しました。1973年に球界を引退し、1975年にはニグロリーグ特別委員会によってアメリカ野球殿堂入りを果たしました。1989年、デラウェア州で生涯を閉じました。

ジョンソンのニグロリーグでの通算打率は.344を記録しており、その実力は記録にも示されています。彼は、ニグロリーグの歴史において重要な役割を果たした選手の一人として、野球史にその名を刻んでいます。

Baseballhalloffame.org（英語） – アメリカ野球殿堂による紹介
NLBPAによる紹介

もう一度検索