ジョニー・ロングデン

ジョニー・ロングデン：競馬史に輝く伝説の名手

ジョニー・ロングデン(John Eric Longden、1907年2月14日-2003年2月14日)は、アメリカ競馬史上にその名を刻む伝説的な騎手にして調教師です。イングランド、ヨークシャー州ウェイクフィールドに生まれた彼は、幼少期にカナダへ移住、その後アメリカへと渡り、カリフォルニア州で騎手としてのキャリアをスタートさせました。

彼の卓越した騎乗技術は瞬く間に注目を集め、数々の勝利を重ねました。1956年には、それまでサー・ゴードン・リチャーズが保持していた世界記録4,870勝を大きく上回る6,032勝を達成。この記録は、14年もの間、世界最多勝利騎手として君臨する偉業となりました。この驚異的な記録は、後にウイリー・シューメーカーによって破られるものの、彼の名を不滅のものとしたことは間違いありません。

ロングデンの功績は、勝利数だけにとどまりません。彼は数々の名馬に騎乗し、数多くの重要なレースを制覇しました。その輝かしい戦績には、ハリウッドゴールドカップの4勝、ハリウッドダービーの5勝など、多くのグレード1競走での勝利が含まれます。さらに、アメリカ競馬界の最高峰、アメリカ三冠競走（ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークス）を1943年に制覇したカウントフリートに騎乗した経験も持ちます。 他にも、ケンタッキーダービーを1943年と1969年の二度にわたって制覇するなど、そのキャリアはまさに華々しいものだったと言えます。

彼の騎乗した主な名馬としては、カウントフリート、ブッシャー、ジェットパイロット、ユアホスト、ウィアウェイ、ヌール、スワップス、T.V.ラーク、フォー・アンド・トゥエンティ、ジョージロイヤル、マジェスティックプリンスなどが挙げられます。それぞれの馬とのコンビネーションは、常に最高の結果を生み出し、競馬ファンを魅了し続けました。

ロングデンの活躍は、アメリカ競馬界に大きな影響を与えました。彼の卓越した技術、類まれな勝負勘、そして献身的な姿勢は、多くの騎手や調教師にとって理想像であり、模範となりました。96歳という長寿を全うし、2月14日、誕生日当日に生涯を閉じました。その死は、競馬界に大きな悲しみをもたらしましたが、彼の残した偉大な功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

彼の功績を称え、1958年にはアメリカ競馬殿堂入りを果たしています。 彼の生涯と輝かしい業績は、数々の書籍にも記録されており、後世に残る貴重な資料となっています。代表的な文献としては、ブレイナード・ケロッグ・ベックウィスの『The Longden Legend』やマービン・ドレイガーの『The Most Glorious Crown』などが挙げられます。これらの文献は、ロングデンの生涯を詳細に解説しており、彼の偉大さを改めて認識させてくれます。 ロングデンは、単なる騎手、調教師を超えた、競馬界の真のレジェンドとして、永遠に記憶されることでしょう。

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