ジョルノ・ジョバァーナ

ジョルノ・ジョバァーナ

『ジョジョの奇妙な冒険 Part5 黄金の風』の主人公であるジョルノ・ジョバァーナは、ディオ・ブランドーの息子でありながら、ジョースター家の血を引くという特異な出自を持つキャラクターです。15歳という若さでギャングスターを志し、数々の困難に立ち向かう彼の物語は、多くのファンを魅了しています。

人物

1985年4月16日生まれの15歳。身長172cm、血液型はAB型。イギリス人のディオと日本人の母親の間に生まれました。ディオはジョースター家の血縁者ではありませんが、ジョナサン・ジョースターの肉体を乗っ取っていたため、ジョルノはジョースター家の血統者に見られる星型の痣を受け継いでいます。4歳から母親の再婚によりイタリア国籍となり、本名の「汐華初流乃」から「ジョルノ・ジョバァーナ」と名乗るようになりました。物語開始時は、ネアポリスのハイスクールで寮生活を送る学生でした。

ジョースター家の血を引く者としての正義感と勇敢さを持ち合わせており、冷静沈着で丁寧な性格ですが、一度怒ると徹底的に報復する一面も持ち合わせています。歴代主人公の中では比較的小柄で細身ですが、豊富な知識と鋭い洞察力でチームを勝利に導きます。スタンド能力は直接的な戦闘には不向きですが、そのサポート能力と持ち前の頭脳でチームに貢献しました。

Part5の主人公でありながら、作中で「ジョジョ」と呼ばれることは一度もありません。また、ディオの息子でありながら、スピードワゴン財団や空条承太郎も彼の存在を2001年まで把握していませんでした。ディオの写真を持ち歩いているものの、父やジョースター家についてどれほど知っているかは不明です。性格やスタンドのラッシュ攻撃、咆哮などディオとの共通点が見られる一方、ディオの吸血鬼としての身体的特徴は受け継いでいません。

コミックス63巻では、彼の性格を「一番欲しているものは希望である」と表現し、ギャングの男との出会いが彼の性格形成に大きな影響を与えたと説明されています。

劇中での活躍

Part5開始以前

幼少期は、母親の愛情を受けられず、義父から虐待を受けるなど悲惨な生活を送っていました。しかし、ある日助けたギャングの男から、人として対等に接してもらったことで「人を信じる」ことを学び、ギャングスターを目指すようになります。高校時代は、その容姿から女子生徒にモテていましたが、本人は全く相手にしませんでした。また、この頃にスタンド能力に目覚め、髪の色が黒から金に変化しています。

Part5『黄金の風』

2001年、ギャング組織「パッショーネ」の幹部であるブローノ・ブチャラティと出会い、組織の麻薬汚染を食い止めたいという自身の夢を語ります。彼の夢に共感したブチャラティと和解し、組織に入団。ボスの娘であるトリッシュの護衛任務を通じて、暗殺チームとの激しい戦いを繰り広げました。イルーゾォ、メローネ、ギアッチョといった強敵を打ち破り、その過程で自身のスタンド能力をさらに進化させていきます。最終的には、組織のボスであるディアボロを倒し、パッショーネを掌握しました。

VS JOJO『恥知らずのパープルヘイズ』

Part5後、組織のボスとして君臨し、スピードワゴン財団とも協力関係を築き、イタリアの裏社会を牛耳る存在となっています。ブチャラティの遺志を継ぎ、裏社会の浄化を進める一方で、かつてブチャラティのチームから離脱したフーゴに麻薬チームの討伐を命じます。しかし、スピードワゴン財団や空条承太郎からは警戒されているようです。この作品では、ジョルノ自身はあまり登場せず、他者の言及を通じて人物像が語られる場面が多く、彼を評する人によって人物像が変わるという特徴があります。

ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』

ゲームでは、原作ではありえなかった父DIOとの邂逅が実現。東方仗助や空条徐倫から財布をすり取ったり、ジョセフ・ジョースターと共闘するなど、原作とは異なる展開を見せます。

VS JOJO『JORGE JOESTER』

ジョルノ・ジョヴァーナと汐華初琉乃の両方が登場する作品。2012年のイタリアで、パッショーネマフィアの幹部として活躍し、名探偵ジョージ・ジョースターにボスのディアボロの捜索を依頼します。ここでは、ジョルノは二重人格者として描かれ、もう一つの人格はディアボロ（スタンド：キング・クリムゾン）です。二つの人格が別々に行動し、周囲を欺きます。また、この作品では、別の世界のディオがジョルノを吸血しようとしますが、ジョルノの星の痣に気づき、実の息子であることを認めます。

スタンド

ゴールド・エクスペリエンス（黄金体験）

テントウムシをモチーフにした人型の近距離パワー型のスタンド。触れた物体に生命を与える能力を持ち、その種類は多岐にわたります。また、自身の身体の一部を切り離して生物に変える、無機物から人体の部品を生成して負傷を治療するなど、応用範囲の広い能力を誇ります。ただし、治療には痛みが伴い、「直す」能力とは異なる点に注意が必要です。また、死者を蘇生させることはできません。

ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム

「矢」によって進化したスタンド「鎮魂歌」。既存のスタンドを凌駕する能力を持ち、動作や意思の力を全て「ゼロ」に戻すという究極の力を持っています。これにより、相手の攻撃や能力を無効化し、行動する前の状態に戻すことができます。この能力の前では、どんな能力を持っていようとも真実に到達することはできず、永遠に死を迎え続けることになります。本体であるジョルノはこの能力を自覚していませんが、その力は絶大です。スタンド自体が明確な自我を持つ点も特徴です。

担当声優

朴璐美 - ゲーム『黄金の旋風』
浪川大輔 - ゲーム『オールスターバトル』『アイズオブヘブン』
小野賢章 - テレビアニメ『黄金の風』、ゲーム『ラストサバイバー』『JUMP FORCE』
藤原夏海 - テレビアニメ『黄金の風』（少年時代）

その他

Part5の主人公を決める際、ジョースター家の家系図から候補者を出すのが難航し、最終的にディオの息子という変則的な設定になりました。また、ジョルノの外見はミケランジェロのダビデ像がモデルになっています。Part6では、ジョルノの異母兄弟であるDIOの息子たちが登場しましたが、ジョルノは登場しませんでした。作者は、ジョルノの母親が健在である理由について、「承太郎がDIOを倒したから生き残ったのだろう」と語っています。

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