ジョンソンシティ (テネシー州)

ジョンソンシティは、アメリカ合衆国テネシー州のワシントン郡に位置する都市で、一部はカーター郡とサリバン郡にも跨っています。2020年の人口は71,049人です。

この都市は、その事業環境の良さから、フォーブス誌によって「事業とキャリアのための小さな場所」リストで全米14位にランクインしました。また、キップリンガー誌では、生活費の安さから「全米で生活費が少ない都市10傑」の5位に選ばれています。生活費、住宅費、光熱費、交通費、医療費が平均以下であることがその理由です。

ジョンソンシティは、ジョンソンシティ都市圏の中核であり、カーター郡、ユニコイ郡、ワシントン郡を含みます。さらに、ジョンソンシティ・キングスポート・ブリストル広域都市圏にも含まれており、この地域は一般的にトリシティーズ地域と呼ばれています。

歴史

伝説によると、テネシー州最初の開拓者とされるウィリアム・ビーンが、1769年にジョンソンシティ近郊のブンーズ・クリーク沿いに小屋を建てたのが始まりとされています。

1780年代には、ジョン・ティプトン大佐が現在のジョンソンシティ郊外に農場を築きました。フランクリン国を建国する動きがあった際、ティプトンは王党派の指導者としてノースカロライナ州への残留を主張し、1788年2月には、彼の農園でフランクリン国支持派との間で戦闘が発生しました。

ジョンソンシティの町は、1856年にヘンリー・ジョンソンが「ジョンソンのデポ」と呼ぶ鉄道駅として設立されました。中心街で3つの路線が交差する場所であったため、アメリカ合衆国南東部の鉄道主要中心地として発展しました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて、狭軌の東テネシー・西ノースカロライナ鉄道（通称「トウィーツィー」）と標準軌のクリンチフィールド鉄道が市内に本社を置き、観光列車を運行しました。さらに、サザン鉄道（現在のノーフォーク・サザン鉄道）も市内を通過しました。

南北戦争中には、一時的に町名がヘインズビルに変更されましたが、戦後すぐにジョンソンシティに戻され、1869年に正式に法人化されました。ヘンリー・ジョンソンが初代市長に選出され、鉄道と鉱業の発展により、1870年から1890年にかけて町は急速に成長しました。しかし、1893年の全国的な不況により、多くの鉄道会社が破綻し、ジョンソンシティの好況も終焉を迎えました。

1901年には、傷痍志願軍人国立の家山岳支部（現在の退役軍人局医療センターと国立墓地）が設立され、南北戦争の負傷兵のための施設が建設されました。1911年には東テネシー州立師範学校（現在の東テネシー州立大学）が設立され、ジョンソンシティは急速な成長を遂げ、1930年にはテネシー州で5番目に大きな町になりました。

ジョンソンシティは、隣接するブリストルの町と共に、オールドタイム・ミュージックの発祥地としても知られています。1928年には、ジョンソンシティ・セッションと呼ばれるコロムビア・レコードの録音セッションが開催され、地元出身のフィドリン・チャーリー・ボウマンが国民的なスターになりました。

1920年代の禁酒法時代には、アパラチア山脈の密造酒醸造との関係から「リトル・シカゴ」というニックネームで呼ばれることもありました。アル・カポネが密造酒の流通拠点として利用したという説もあります。

ジョンソンシティは、トラビス・トリットの歌『現代のボニーとクライド』に登場し、オールド・クロウ・メディスン・ショーの歌『荷車の輪』にもその名が登場しています。

市政府

ジョンソンシティは、5人の委員からなる市政委員会によって統治されています。委員会は、市長と副市長を互選し、市マネージャーを指名して日常業務を管理しています。

地理と気候

ジョンソンシティは、北緯36度20分、西経82度22分に位置しています。市域は、南東でエリザベストン市と、北の州間高速道路26号線沿いでキングスポートと、東のアメリカ国道11号線沿いでブラフシティと接しています。

アメリカ合衆国国勢調査局によると、市域の全面積は39.6平方マイル（102.5km²）で、うち陸地が39.3平方マイル（101.7km²）、水域が0.3平方マイル（0.8km²）です。

ジョンソンシティは、アパラチア山脈のリッジ・アンド・バレー地帯にあり、ブルーリッジ山脈のすぐ西に位置しています。市東には標高1,800mを超えるローン山が、南には標高820mを超えるバッファロー山があります。また、市域にはテネシー川流域開発公社が建設したブーン湖の一部が含まれています。

ノリチャッキー川が市の南側を流れており、急流下りやカヤックを楽しむことができます。

人口動態

2000年の国勢調査によると、ジョンソンシティの人口構成は以下の通りです。

交通

ジョンソンシティからは、トリシティーズ地域空港（TRI）とジョンソンシティ空港（OA4）を利用できます。

主要な道路としては、州間高速道路26号線と81号線、アメリカ国道19号線、11E号線、321号線、23号線が通っています。ジョンソンシティ交通が市内バスを運行しており、中心街には交通センターがあります。

教育

高等教育機関としては、東テネシー州立大学、ミリガン・カレッジ、北東州立コミュニティカレッジなどがあります。私立学校も複数あります。

ジョンソンシティ教育学区には、小学校、中学校、高校があります。

経済

ジョンソンシティは、東テネシー州立大学や医療・工学関連施設が集積する地域経済の中心地です。フォーブス誌は「事業とキャリアのための小さな場所」リストで35位に、ブラック・エンタープライズ誌は「黒人が引退するのに最適な場所」で8位に、キップリンガー誌は「生活費が安い都市10傑」で5位にジョンソンシティを選出しています。

マウンテンデューの起源はジョンソンシティにあり、2012年には、ジョンソンシティにちなんで「マウンテンデュー・ジョンソンシティ・ゴールド」という飲料が試験販売されました。

市内には、アメリカン・ウォーター・ヒーター・カンパニー、RRドネリー、カンテック・インダストリーズなど、多くの大手企業が本社を置いています。

ジョンソンシティは、北東テネシー州と南西バージニア州、さらにはノースカロライナ州西部やケンタッキー州にわたる地域医療の中心地でもあります。市内には、ジョンソンシティ医療センター、フランクリン・ウッズ・コミュニティ病院、ジェイムズ・H・セシル・C・クィリン・リハビリテーション病院、ジェイムズ・H・クィリンVA医療センターなどがあります。

文化

ジョンソンシティには、ハンズオン！博物館、ジェネラル・シェール・ブリック博物館、ティプトン・ヘインズ州立歴史史跡などの文化施設があります。また、リトル・シカゴ・ブルース祭、ユモジャ・ユニティ祭、ブルー・プラム祭など、様々な祭りも開催されます。中心街では毎月「第1金曜日」に芸術と音楽のイベントが開催されています。

ショッピングは、モール・アット・ジョンソンシティや、ステイト・オブ・フランクリン道路沿いの商業施設が中心ですが、近年は中心街の小売業も盛んになっています。

メディア

ジョンソンシティでは、「ジョンソンシティ・プレス」などの新聞や、「ザ・ローファー」などの雑誌が発行されています。また、WJHL-TVなどのテレビ局や、WETS-FMなどのラジオ局があります。

著名な出身者

リオン・テイラー、デビッド・キャッシュ、ケニー・チェズニーなどがジョンソンシティ出身の著名人です。

見どころ

東テネシー州立大学樹木園、トマス・スタジアム、エマヌエル宗教学校、ロッキーマウント博物館、ティプトン・ヘインズ州立歴史史跡、モントローズ・コート、モール・アット・ジョンソンシティ、ジョンソンシティ空港、トリシティーズ地域空港、ワトーガ川、ブーン湖、グレイ化石史跡などが観光スポットです。

脚注

参考文献

外部リンク

もう一度検索