ジョンポーターステークス

ジョンポーターステークス：イギリス競馬の春の祭典

ジョンポーターステークスは、イギリスのニューベリー競馬場で開催される、古馬による1マイル4ハロン（約2414メートル）の平地競走です。春の訪れとともに開催されるこのレースは、イギリスの平地競馬シーズン序盤を告げる重要なイベントとして、競馬ファンから高い注目を集めています。G3に格付けされており、長距離重賞競走としての地位を確立しています。

歴史と伝統

この競走は1928年に創設されました。当初は9月下旬に開催され、3歳馬限定、1マイル5ハロン（約2615メートル）のレースでしたが、その後、出走資格や距離、開催時期などが変更されてきました。1929年には4歳馬の出場が認められ、1936年には距離が1マイル1/4（約2011メートル）に短縮されました。現在の施行条件、すなわち4月開催、1マイル半（約2419メートル）という距離、古馬限定という条件になったのは1949年です。2018年には距離が1マイル4ハロンに変更されました。2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、残念ながら開催中止となりました。

競走名は、ニューベリー競馬場の共同創設者であり、著名な調教師でもあったジョン・ポーター（1838-1922）に由来しています。彼は三冠馬3頭を含む数々の名馬を手がけた人物として知られています。

栄光の勝馬たち

ジョンポーターステークスには、数々の名馬がその名を刻んできました。1953年のウィルウィン（クイーンアンステークス優勝馬）、1967年のダービー馬シャルロットタウン、そして1973年には凱旋門賞を制したラインゴールドなど、歴史に名を刻む名馬たちがこのレースを制覇しています。近年では、2010年にハービンジャーが勝利し、その年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスをレコードタイムで制するという快挙を達成しました。これらの輝かしい実績が、ジョンポーターステークスの歴史と伝統を物語っています。

スポンサーと競走名

長年にわたって、ジョンポーターステークスは複数のスポンサーによって支えられてきました。1988年から1999年まではレーンズエンドがスポンサーとなり、「レーンズエンドステークス」として開催された時期もありましたが、競走成績書には常に「ジョンポーターステークス」と記録されています。その後も、「ドバイアイリッシュヴィレッジステークス」、「ドバイテニスチャンピオンシップステークス」、「ファイネストサプライズステークス」など、様々な名称で呼ばれることもありましたが、これも同様に正式名称は「ジョンポーターステークス」として記録されています。

記録

多くの名騎手、名調教師が、このレースで勝利を収めてきました。パット・エデリー騎手は5勝という最多勝記録を保持しており、マイケル・スタウト調教師も5勝を挙げています。

現代のジョンポーターステークス

現在、ジョンポーターステークスは、春のニューベリー競馬場のドバイデューティーフリースプリングトライアル開催で、平地競走シーズンの開幕を告げるレースとして、その地位を確立しています。シーズン序盤の長距離重賞として、多くの有力馬が出走し、激しい競争が繰り広げられます。今後のレースからも目が離せません。

その他

ジョンポーターステークスと同日には、フレッドダーリンステークス（牝馬限定重賞）も開催されます。フレッドダーリンステークスは、著名な調教師フレッド・ダーリンにちなんで名付けられています。これらのレースは、春のニューベリー競馬場を彩る、競馬ファンにとって魅力的なイベントです。

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