ジョン・ウェストレーキ

ジョン・ウェストレークの生涯と業績

ジョン・ウェストレーク（John Westlake）は1828年2月4日にイギリスで生まれ、1913年4月14日に亡くなりました。彼は法学者としての地位を確立し、特に国際法の分野で重要な貢献をしました。ウェストレークは、コーンウォール州に生まれ育ち、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに進学し、1850年に卒業しました。大学では1851年から1860年までフェローとして活動し、その後の法曹界でのキャリアを築いていくことになります。

彼は1854年にリンカーン法曹院で弁護士資格を取得し、1874年にはその幹部（bencher）となることに成功しました。その後、政治活動にも携わり、1885年にはエセックス州ロムフォード選挙区から庶民院に選出され、自由党の一員として政治の舞台でも実績を上げていきます。

1888年から1908年までの間、ケンブリッジ大学で国際法の教授を務めました。この期間中には、1900年から1906年にかけてイギリスを代表しハーグの常設仲裁裁判所の判事としても活躍しました。彼は、国際法に関する知識を活かし、国際的な法制度の発展にも寄与しました。

ウェストレークはまた、1864年に女性参政権運動の支持者として知られる芸術家アリス・ヘア(Alice Hare)と結婚しました。この結婚は彼の社会活動や思想にも影響を与えたと考えられています。

特に注目される出来事は、1894年に日清戦争中に発生した豊島沖海戦です。この戦闘では、日本の巡洋艦「浪速」がイギリスの船「高陞号」を撃沈しましたが、ウェストレークは国際法の専門家として、日本海軍の行動が国際法上正当であるとの見解を『タイムズ』紙に寄稿しました。この寄稿は、当時のイギリスにおける反日感情を和らげる一助となり、重要な政治的影響を及ぼしました。

引退後のウェストレークはコーンウォールのペンザンスに移り住み、静かな生活を送りながら庭園を整備して楽しんでいました。彼の学問的な業績は、彼の著書を通じても証明されています。ウェストレークは多くの著作を残し、特に以下の作品が彼の代表作とされています。
1. 『A Treatise on Private International Law』（1858年初版、1880年改訂版、1912年第5版）
2. 『Chapters on the Principles of International Law』（1894年）
3. 『International Law』（1904-07年の2巻、1910-13年第2版）

また、L. Oppenheimによる国際公法に関する論文集が1914年に公刊され、彼の学問への影響力は今日でも色あせることなく続いています。ウェストレークの研究は、国際法の発展において多大な影響を持ち、彼に続く世代の法学者にとっても基盤となるものでした。彼の生涯と業績は、今なお多くの法学者や歴史家によって評価され続けています。

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