女性参政権

女性参政権について

女性参政権とは、女性が国や地方自治体の政治に参加するための権利を指します。過去には「婦人参政権」と呼ばれていたこの権利は、民主主義の進展とともに重要な位置を占めるようになりました。

歴史的背景

欧米における動き

18世紀末のフランス革命では、普通選挙が実現したものの、参政権は男性に限定されていました。この時期の欧米社会では、女性の政治参加には消極的な意識が根強く、女性は回りを支える存在と見なされていました。19世紀後半には、わずかに女性参政権が実現しましたが、広まりを見せたのは20世紀になってからです。たとえば、スイスでは法律的に女性の参政権が認められるまでに時間がかかり、1971年まで待たなければなりませんでした。

世界初の女性参政権

世界初の恒常的な女性の参政権は1869年にアメリカのワイオミング州で実現しました。続いて、1894年にはオーストラリアの南オーストラリア州が被選挙権を含む参政権を導入しました。

現代における状況

20世紀の途中からほとんどの国で女性参政権が確立され、21世紀に入ると、ほぼ全ての国がこの権利を認めるようになりました。現在、女性参政権が認められていない唯一の国はバチカン市国です。

日本における女性参政権

日本での「婦人参政権運動」は明治時代末期に始まりました。この運動の核となるのは、国政や地方政治への参加、さらには政党結社の権利を求めるものでした。

日本初の女性参政権は、1878年の高知県における条例改正で実現しました。しかし、1884年に法律が改正され、再び女性は選挙権を失います。日本で普通選挙が実現したのは1925年ですが、参政権は男子にしか認められませんでした。

明治から大正時代にかけて、女性の参政権を求める動きが高まり、様々な団体が設立されていきました。特に、平塚らいてうを中心とした青鞜社や、新婦人協会が活動を活発化させました。これらの団体は、女性の政治的権利を保障するために様々な運動を展開し、治安警察法の改正や弁護士制度の確立などに成功しました。

1945年の終戦後、日本政府は初めて女性参政権に関する閣議決定を行い、1946年には女性の国政参加が認められました。これにより、1946年の衆議院議員選挙では初めて39名の女性議員が誕生し、その後の憲法改正によっても女性参政権が明文化されました。

世界各国の女性参政権の獲得年次

女性参政権の獲得は国ごとに異なりますが、1893年にニュージーランドが、1902年にオーストラリア、1918年にイギリスがそれぞれ認めており、これらの国々は女性の政治参加が早い段階から実現しています。一方、1950年代から60年代にかけて多くの国で女性参政権が認められるようになりました。

結論

女性参政権は、民主主義における重要な要素として、歴史を通じて進化してきました。特に、日本は他国に比べて独自の努力を経て、特異な歴史を持つことになります。しかし、これらの権利獲得には多くの時間と困難が伴い、今後もさらなる進展が求められている現状があります。

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