ジョン・クンドラ

ジョン・クンドラ：ミネアポリス・レイカーズ黄金時代を築いた名将

ジョン・アルバート・クンドラ（John Albert Kundla, 1916年7月3日 - 2017年7月23日）は、アメリカのバスケットボール界において、特に初期のNBAで輝かしい功績を残した指導者です。ミネアポリス・レイカーズを率いて5回のNBAチャンピオンに輝き、その手腕は आज भी高く評価されています。1995年にはバスケットボール殿堂入りを果たし、その功績は永遠に語り継がれるでしょう。

生い立ちと指導者への道

クンドラはペンシルベニア州スタージャンクションで生まれ、5歳の時にミネアポリスに移住しました。両親はスロベニアからの移民であり、彼自身もミネソタ大学でバスケットボール選手として活躍しました。大学卒業後は高校のコーチを務め、第二次世界大戦では海軍に従軍するという経験もしています。戦後、セント・トーマス大学でヘッドコーチを務めたことが、彼のプロの指導者としてのキャリアの始まりとなりました。

ミネアポリス・レイカーズでの輝かしい時代

1947年、クンドラはNBL（National Basketball League）に加盟していたデトロイト・ジェムズがミネアポリスに移転し、ミネアポリス・レイカーズと改称した際に、ヘッドコーチとして招聘されました。同年、ジョージ・マイカンという不世出のセンターを獲得したレイカーズは、クンドラの指導の下、瞬く間にリーグの強豪へと成長しました。1年目の1947-48シーズンには早くもリーグ制覇を達成し、その手腕を証明しました。その後、レイカーズはNBLからBAA（Basketball Association of America、後のNBA）に移籍し、新たな舞台での挑戦を開始します。

クンドラ率いるレイカーズは、NBAでもその強さを発揮し続けました。1948-49シーズンには、ファイナルでワシントン・キャピトルズを破り、NBA初優勝を飾ります。翌1949-50シーズンもシラキュース・ナショナルズを退け、見事2連覇を達成しました。1950-51シーズンはディビジョン決勝で敗れたものの、翌1951-52シーズンからはNBA史上初となる3連覇を成し遂げ、その名を歴史に刻みました。当時のレイカーズは、マイカン、ジム・ポラード、ヴァーン・ミッケルセンという強力なビッグ3を中心に、リーグ屈指の戦力を誇り、その圧倒的な強さから「リーグ最初の王朝」と称えられました。

チームの衰退と再建、そして大学へ

しかし、1954年にマイカンが引退すると、チームは徐々に衰退の道を辿ります。1955-56シーズンには、クンドラがヘッドコーチに就任して以来初めての負け越しを喫しました。1957年、クンドラは一旦ヘッドコーチの座をマイカンに譲り、フロントへと異動しますが、チームの成績は低迷。シーズン半ばには再びヘッドコーチに復帰するという事態となりました。1958年にはドラフト1位でエルジン・ベイラーを獲得し、1958-59シーズンには5年ぶりにファイナルに進出しましたが、ボストン・セルティックスにストレートで敗れました。シーズン終了後、クンドラはレイカーズのヘッドコーチを退任しました。

NBAでのクンドラの戦績は、11シーズンで423勝302敗（勝率.583）でした。5回以上のNBA制覇を達成したヘッドコーチは、NBAの歴史上でもわずか5人しかおらず、レイカーズに限ればクンドラとフィル・ジャクソンの2人しかいません。このことからも、彼の功績の大きさがうかがえます。

NBAを離れた後、クンドラは1959年から1968年まで母校であるミネソタ大学のヘッドコーチを務めました。そこでは110勝105敗（勝率.512）という成績を残しましたが、NCAAトーナメントへの進出は果たせませんでした。退任後は同校の体育学教授を1981年まで務め、後進の育成に尽力しました。

殿堂入りとレガシー

1995年、クンドラはコーチ部門でバスケットボール殿堂入りを果たしました。翌1996年には、NBA史上最高のコーチ10人にも選出され、その功績が改めて称えられました。2017年、101歳という高齢で亡くなりましたが、彼のバスケットボール界への貢献は色褪せることなく、永遠に語り継がれていくでしょう。

ジョン・クンドラは、単に勝利を追求するだけでなく、選手を育成し、チームを団結させることにも長けた名将でした。彼の指導の下、ミネアポリス・レイカーズは黄金時代を築き、NBAの歴史に大きな足跡を残しました。彼のレガシーは、これからのバスケットボール界においても、大きな影響を与え続けることでしょう。

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