ジョン・ニール

エドワード・セント・ジョン・ニールの生涯

エドワード・セント・ジョン・ニール（Edward St. John Neale、1812年 - 1866年）は、イギリスの軍人および外交官として知られています。彼は特に生麦事件や薩英戦争における駐日英国代理公使としての役割が注目される人物です。

軍人としての経歴

1832年、ニールはイギリス陸軍に入隊し、ポルトガル内戦で自由主義派軍に参加しました。彼はスコットランド歩兵連隊に所属し、1835年にはスペインに戦場を移しました。1837年には中佐に昇進し、その後外交官としての道を歩み始めました。彼の軍歴は後の外交活動に影響を与えました。

日本での外交官としてのキャリア

ニールの外交キャリアは1841年のトルコ副領事職から始まり、1847年にはブルガリアの領事に転任。さらにはギリシアやボスニアでの任務を経て、1861年には清のイギリス公使館書記官として北京に赴任しました。彼の積み重ねた経験は、日本での公使代理としての任期に大きな意味を持つこととなります。

駐日英国代理公使としての任務

ニールは1862年5月、初代駐日英国公使ラザフォード・オールコックの帰国に伴い、代理公使として日本に着任しました。当時、英国公使館は東禅寺事件の影響で横浜に移転していましたが、到着早々に公使館を江戸に戻しました。しかし、短期間内に松本藩士による襲撃事件が発生し、再び横浜に戻ることを余儀なくされました。

生麦事件への対処

1862年9月14日、ニールは襲撃事件が発生したことを受け、急遽対応に追われました。報復行動を要求する声が高まる中、ニールは冷静に状況に対処。翌1863年6月には幕府との交渉の結果、約11万ポンドの償金を受け取ることに成功しました。しかし、薩摩藩との交渉は決裂し、薩英戦争が勃発しました。

生麦事件解決の交渉

生麦事件の発生後、横浜に住む外国人たちは急いで報復計画を立てましたが、ニールはそれを阻止しました。彼は冷静な外交手腕を発揮し、事件に対する本国からの要求が届くと、幕府に対して謝罪と賠償金の支払いを求めました。彼の知恵と外交的手腕を元に、最終的には賠償金44万ドルを幕府から引き出すことに成功します。

結果とその後

一連の交渉の結果、ニールは幕府への賠償要求は整い、日本での任務の中で重要な成果を収めました。その後、ニールは健康を崩し、1864年に再び公使代理として呼ばれることとなったが、体調不良のため実現しませんでした。1866年には外交官としてのキャリアの最中、エクアドルにて病死しました。

まとめ

ニールの外交家としての業績は、当時の日本外交史において重要な意義を持っています。彼は、複雑な国際関係の中で日本との関係構築に尽力し、外交の難しさを理解することが求められた時代にあって、冷静かつ理性的な判断を下すことができた数少ない外交官の一人でした。その姿勢は、今なお歴史の教訓として語り継がれています。

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