ジョン・ハインド・コットン (第3代準男爵)

サー・ジョン・ハインド・コットン：機知に富んだジャコバイトの政治家

サー・ジョン・ハインド・コットン（1686年 - 1752年）は、18世紀のグレートブリテン王国で活躍した庶民院議員であり、ジャコバイトとして知られています。歴史家エヴリン・クルックシャンクスに「イングランドで最も熱狂的なジャコバイト」と評された彼は、その生涯を通じて、既存の政治体制に批判的な立場を貫きました。

生い立ちと政界入り

コットンは、ケンブリッジ選挙区選出の庶民院議員を歴任した第2代準男爵サー・ジョン・コットンの息子として生まれました。ウェストミンスター・スクールとケンブリッジ大学エマニュエル・カレッジで教育を受け、知識と教養を身につけました。政界では、トーリー党に所属し、ホイッグ党政権との対立を深めていきました。

政治家としての活動

コットンは、その機知に富んだ言動で、政界で注目を集めました。ある庶民院議員がトーリー党を離れ、首相ロバート・ウォルポールを支持する演説を行った際、コットンはウォルポールに対し、「あの若犬は常に（always）私たちを支持すると述べた」とその議員を批判しました。ウォルポールが「私はうちの若者たちに『常に』（always）を使わないよう助言している」と答えると、コットンは「あなた自身は全ての手（all ways）を使いがちですがね」と皮肉を込めて応じました。

彼は三年議会法など、後に急進派が支持する政策にも賛同しましたが、その理由は政策内容よりも、ホイッグ党が嫌う政策であったためとされています。また、大酒飲みであったという逸話も残っています。

ホレス・ウォルポールは、コットンについて次のように評しています。「ウィットがあり、庶民院の要領を熟知している。彼は庶民院で稀にしか発言せず、短い演説しかせず、話し方もどもっていたが、ユーモアの使い方は身につけていた。アン女王の治世末期では政権内におり、サー・ロバート・ウォルポールの政府では常に、熱烈に野党の座にいた。そして、決心のあるジャコバイトであり、直近の連立内閣では王室家政の職を受けて、2年間務めたが、1度たりとも与党に票を与えなかった。これは素晴らしい分別を要し、国王への忠誠を誓わなければならないだけでなく（これは議会のジャコバイト全員がしている）、賃金を得ながら自身の業務を妨げる必要がある。国王の閣僚たちにも同じ素質があり、彼らは1人の男に給料を受けさせつつ党を乗り換えさせなかった」。この評価は、コットンの複雑な人物像を浮き彫りにしています。

家族

コットンは2度結婚しました。最初の妻はサー・アンブローズ・クロウリーの娘レティス、2番目の妻はジェームズ・クラッグスの娘マーガレットです。息子の中では、レティスとの息子であるジョン・ハインドのみが成長し、準男爵位を継承しました。

サー・ジョン・ハインド・コットンは、その時代において、独自の視点とユーモアを持ち合わせた、特異な政治家でした。彼の生涯は、18世紀のイギリス政治の一側面を映し出す鏡として、今もなお私たちに興味深い問いを投げかけています。

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