ジョン・ハービソン

ジョン・ハリス・ハービソン（John Harris Harbison, 1938年12月20日 - ）は、アメリカ合衆国を代表する作曲家であり、特にオペラや大規模な合唱作品でその名を知られています。

経歴

1954年、16歳という若さでBMI基金の学生作曲賞を受賞し、早くからその才能を開花させました。その後、ハーバード大学、そしてプリンストン大学で音楽を学び、ハーバード・グリークラブにも所属していました。ウォルター・ピストンやロジャー・セッションズといった著名な作曲家に師事し、作曲家としての基礎を築きました。現在はマサチューセッツ工科大学（MIT）の正教授として後進の指導にもあたっています。

ハービソンの作品は多岐にわたり、交響曲、弦楽四重奏曲、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスのための協奏曲など、様々なジャンルに及んでいます。1987年には「The Flight into Egypt」でピューリッツァー賞を受賞し、2006年には「Mottetti di Montale」でグラミー賞の小アンサンブルパフォーマンス部門にノミネートされるなど、数々の栄誉に輝いています。

メトロポリタン歌劇場は、著名な指揮者ジェームズ・レヴァインの就任25周年を記念して、ハービソンにオペラ『華麗なるギャツビー』を委嘱しました。このオペラは1999年12月20日にレヴァインの指揮、ジェリー・ハドリー、ドーン・アップショウ、スーザン・グレアム、ロレーヌ・ハント・リーバーソン、マーク・ベイカー、ドウェン・クロフト、リチャード・ポール・フィンクら豪華キャストによって初演され、大きな話題を呼びました。

また、ハービソンはキリスト教一致推進評議会と諸宗教対話評議会から、「ヨハネ・パウロ二世即位25周年を記念する和解のコンサート」のための作品を委嘱されました。このイベントは、ローマのチーフラビであるラブ・エリオ・トフ、ローマのモスクのイマームであるアブドラワハブ・フセイン・ゴマー、そして教皇ヨハネ・パウロ二世の共同主催で行われました。ハービソンが作曲した6分間の作品「アブラハム」は、金管楽器とアンティフォナの合唱のためのもので、2004年1月17日に、ギルバート・レヴァインの指揮、ピッツバーグ交響楽団のメンバー、ピッツバーグ・メンデルスゾーン合唱団、ロンドン・フィルハーモニー合唱団、クラクフ・フィルハーモニー合唱団、アンカラ・フィルハーモニー合唱団のメンバーによって世界初演されました。この作品は、異なる宗教間の和解と平和への願いを表現したもので、世界中で高く評価されています。

さらに、ハービソンはボストンのエマニュエル・ミュージック（Emmanuel Music）の首席客演指揮者を務めていました。創始者であるクレイグ・スミスの2007年の早すぎる死後、ハービソンは芸術監督代理に任命され、楽団の活動を支えました。

1990年に「芸術的信条は何か」と問われた際、ハービソンは「断片それぞれを他と異なるようにし、明確で新鮮な大きなデザインにし、伝統を再発見することだ」と答えています。この言葉は、彼の音楽に対する姿勢をよく表していると言えるでしょう。

ハービソンはヴァイオリニストのローズ・マリー・パダーソンと結婚しており、公私ともに充実した生活を送っています。

外部リンク

* Papal Concert of Reconciliation 2004：「ヨハネ・パウロ二世即位25周年を記念する和解のコンサート」の演奏やハービソンのインタビューを視聴できます。（URLは仮のものです。正しいURLに置き換えてください）

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