ジョン・パー (ノバスコシア総督)

ジョン・パーの生涯と業績

ジョン・パーは1725年にアイルランドのダブリンで生まれました。彼の家族は17世紀にアイルランドに移住したアングロ・アイリッシュ貴族であり、パーもその影響を受けながら育ちました。パーはトリニティ・ハイスクールで教育を受けた後、19歳でイギリス陸軍第20歩兵連隊に入隊し、オーストリア継承戦争に従軍します。

1746年、彼はカロデンの戦いで准大尉としてカンバーランド公ウィリアム王子の軍に参加し、スコットランドのジャコバイト反乱を鎮圧するため行軍しました。その後、1755年には第20歩兵連隊の大佐であったジェームズ・ウルフの副官となり、1759年のミンデンの戦いで負傷。しかし、6か月間の療養を経て、彼はジブラルタルでの勤務を経験し、中佐に昇進しました。1776年に連隊を除隊した後、1778年にはロンドン塔でメイジャーという高位に就きます。

ノバスコシア総督としての活動

1782年、パーはシェルバーン伯爵ウィリアム・ペティの支援を受け、ノバスコシア総督に任命されました。その頃、アメリカ独立戦争の影響で忠実なロイヤリストが北米に流入しており、ノバスコシアには急激に人口が増加していました。特に1782年から1783年の冬には、ハリファックスに1万人もの人々が押し寄せ、倉庫や教会、船舶で宿泊を余儀なくされました。

パーは1782年10月5日にハリファックスに到着しますが、前任者のフランシス・レゲが不在のままだったため、職務に就くにあたり様々な難題に直面しました。特に、現地にいた軍人副総督のサー・アンドリュー・ハモンドは、彼が総督として指名されたことに不満であり、速やかに辞職してイングランドに帰還しました。

1786年にはイギリス領北アメリカの行政体制が再編され、パーは新設されたカナダ総督兼イギリス領北アメリカ総督の地位を期待されましたが、残念ながらこの地位にはガイ・カールトンが指名されました。その結果、ノバスコシア総督は廃止され、彼はノバスコシア副総督に任命されました。このような変更により、パーはカールトンを上司に持つ立場となります。

影響と評価

彼の統治下では、アフリカ系アメリカ人ロイヤリストである黒人ノバスコシア人の入植が進められましたが、パーはその対応において批判を浴びることとなります。彼は土地や資源を求めるロイヤリストたちからの圧力を受け、財政の管理に苦慮しました。加えて、イギリス本国政府からの圧力に応えるために、彼は時に非同情的であるとの非難を受けました。こうしたストレスは彼の健康にも影響を及ぼし、パーは66歳で亡くなることになります。

彼の葬儀は第20歩兵連隊によって行われ、華やかな軍隊式のものでした。彼の遺体はハリファックスのセント・ポール教会に埋葬され、ノバスコシア州の町パーズボロは彼を讃えて名付けられました。ジョン・パーの人生と業績は、イギリス植民地の歴史において重要な一部を形成しています。

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