ジョン・フィン (ミサイル駆逐艦)

ジョン・フィン（USS John Finn, DDG-113）は、アメリカ海軍が誇るアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の63番艦であり、イージスシステムを搭載した高性能艦です。その艦名は、第二次世界大戦中の真珠湾攻撃において、負傷しながらも勇敢に日本軍機と戦い、名誉勲章を授与されたジョン・ウィリアム・フィン海軍中尉に敬意を表して命名されました。

艦歴

ジョン・フィンは、ミシシッピ州パスカグーラのインガルス造船所にて建造されました。2013年11月5日には、ジェームス・G・スタフリディス元海軍大将夫妻の立ち会いのもと起工式が行われ、2015年3月28日に進水。同年5月2日には、スタフリディス元海軍大将夫人によって命名されました。そして、真珠湾攻撃から75周年にあたる2016年12月7日、アメリカ海軍への引き渡しが完了し、2017年2月18日には乗組員が着任、海上公試を開始しました。2017年7月15日には、ハワイ州真珠湾にて、ハリス太平洋軍司令官臨席の下、正式に就役しました。

ジョン・フィンは、最新鋭の装備と高度な戦闘能力を備えており、アメリカ海軍の戦力の中核を担っています。2020年11月17日には、ハワイ北東海面上から発射された大陸間弾道弾（ICBM）に見立てた飛翔体を、人工衛星システムからの情報に基づき、SM-3ブロックⅡA（RIM-161D）を用いて迎撃、見事に破壊するという重要な実験に成功しました。これは、日米共同で開発されたSM-3ブロックⅡAにとって、初のICBM模擬標的に対する実射テストであり、その有効性が実証された画期的な出来事でした。

2021年3月10日には、「開かれたアジア太平洋」へのアメリカの関与を示す一環として、台湾海峡を通過したことがアメリカ第7艦隊によって発表されました。この行動は、地域の安定に対するアメリカのコミットメントを示すものとして、国際社会から注目を集めました。

さらに、2023年3月4日には、バリーと交代する形で、日本の横須賀基地に配備されました。ジョン・フィンは、第7艦隊第71任務部隊第15駆逐隊に所属し、日本を含むアジア太平洋地域におけるアメリカ海軍のプレゼンスを強化する役割を担っています。

ジョン・フィンは、その名の由来となった英雄ジョン・ウィリアム・フィンの勇敢な精神を受け継ぎ、アメリカ海軍の最前線で活躍しています。最新の技術と装備、そして高度な訓練を受けた乗組員によって、世界の平和と安定に貢献することが期待されています。

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