ジョン・フィードラー

ジョン・ドナルド・フィードラー (1925年2月3日 - 2005年6月25日) は、アメリカ合衆国の俳優、声優として知られています。ウィスコンシン州プラットヴィル出身で、第二次世界大戦ではアメリカ海軍に所属。除隊後、ニューヨークで俳優としてのキャリアをスタートさせました。

ラジオドラマ『The Aldrich Family』やテレビドラマ『Tom Corbett, Space Cadet』などに出演し、早くから注目を集めます。1957年公開の映画『十二人の怒れる男』では、臆病な陪審員2番を演じ、その存在感を示しました。その後も、数多くの映画やテレビドラマに出演し、個性豊かな役柄を演じ分けました。

舞台、映画、テレビと活躍の場を広げ、その演技力は高く評価されました。紳士的な役柄から、時に臆病で弱気な人物、そして時には強い意志を持つ人物まで、幅広い役をこなす彼の演技力は、見る者を魅了しました。特に、『十二人の怒れる男』での陪審員2番役、『くまのプーさん』シリーズでのピグレット役、『ボブ・ニューハート・ショー』でのペターソン役は、彼の代表作として広く知られています。

『十二人の怒れる男』では、陪審員たちの激しい議論の中で、臆病ながらも正義感に目覚めていく陪審員2番を見事に演じきりました。この役柄は、彼のキャリアにおいて重要な転換点となり、その後も多くのオファーにつながりました。

一方、『くまのプーさん』シリーズでは、ピグレットの声優を務め、その愛くるしいキャラクターに命を吹き込みました。小さくて臆病なピグレットを、繊細な表現力で演じ、子供から大人まで多くの人々の心を掴みました。

テレビドラマにおいても、彼は活躍しました。人気テレビドラマ『宇宙大作戦』では、管理責任者役で出演。普段とは異なる、強い意志と鋭い洞察力を見せる姿は、彼の演技力の幅広さを示す好例です。また、『奥さまは魔女』、『それ行けスマート』、『ロックフォードの事件メモ』、『The Golden Girls』、『チアーズ』など、数々の作品に出演し、それぞれの作品に個性あふれる演技で貢献しました。さらに、『事件記者コルチャック』では死体安置所職員ゴーディー・スパングラー役を定期的に演じ、視聴者に強烈な印象を与えました。

ディズニーアニメ映画にも多数参加しました。例えば、『ビアンカの大冒険』、『きつねと猟犬』、『ロビン・フッド』、『ラマになった王様』、『くまのプーさん 完全保存版』、『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』、『くまのプーさん 完全保存版II ピグレット・ムービー』、『くまのプーさん ザ・ムービー/はじめまして、ランピー!|くまのプーさん ザ・ムービー_はじめまして、ランピー!』など、彼の声は多くのディズニー作品を彩りました。彼の最後の出演作品となったのは、2005年公開の『ラマになった王様2 クロンクのノリノリ大作戦』です。

2005年6月25日、ニュージャージー州アングルウッドで癌のため80歳で死去しました。晩年は、引退したエンターテイナーのための「リリアン・ブース俳優の家」で過ごしていました。生涯独身を貫き、兄弟や親族に囲まれて人生を送ったとされています。

ジョン・ドナルド・フィードラーは、数々の映画、テレビドラマ、アニメで活躍し、その幅広い演技力と魅力的な声で多くの人々を魅了しました。彼の功績は、後世に長く語り継がれることでしょう。彼の遺した作品は、これからも人々に感動を与え続けることでしょう。

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