ジョン・マッギオーク

ジョン・アレクサンダー・マッギオーク (John Alexander McGeoch)

ジョン・アレクサンダー・マッギオーク（1955年8月25日 - 2004年3月4日）は、イギリスを代表するギタリスト、ミュージシャンです。彼は、スージー・アンド・ザ・バンシーズでの活動で最もよく知られていますが、それ以外にもマガジン、ヴィサージ、パブリック・イメージ・リミテッド（PiL）といった数々の著名なバンドでその才能を発揮しました。その革新的なギタープレイは、多くのミュージシャンに影響を与え、「ニュー・ウェイヴのジミー・ペイジ」とも称されました。

生い立ちと初期の活動

マッギオークはスコットランドのグリーノックで生まれ育ちました。12歳でギターを手にし、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンといったブルースロックの巨匠たちの楽曲をコピーすることで、ギターの腕を磨きました。1971年に家族と共にロンドンへ移住し、1975年にはマンチェスター・メトロポリタン大学に入学して美術を専攻しました。

マガジン、ヴィサージでの活躍

1977年4月、マッギオークは、バズコックスを脱退後に新たなバンドメンバーを探していたハワード・ディヴォートと出会い、マガジンの結成に参加しました。1978年1月には、シングル「Shot by Both Sides」でデビューを果たし、音楽シーンにその名を刻みました。同年、マンチェスター・メトロポリタン大学を卒業しています。

マガジンでの活動と並行して、1979年にはバンドメイトのバリー・アダムソン、デイヴ・フォーミュラと共にシンセポップグループ、ヴィサージにも参加しました。1980年にリリースされたヴィサージのデビューアルバムでは、ギターとサックスを演奏し、その多才ぶりを発揮しました。また、ジェネレーションXの作品にもギタリストとして参加しています。マガジンでは3枚のアルバムに参加した後、スージー・アンド・ザ・バンシーズに加入するために脱退しました。

スージー・アンド・ザ・バンシーズへの加入

1980年にスージー・アンド・ザ・バンシーズに加入し、3枚のアルバム制作に貢献しました。しかし、1982年11月、ツアー中のストレスとプレッシャーから神経衰弱を起こし、マドリードのステージで倒れてしまいます。その後、バンドを脱退することとなりました。

ジ・アーモリー・ショウ、PiLでの活動、そして引退

1985年、マッギオークは、元スキッズのリチャード・ジョブソン（ボーカル）、ラッセル・ウェッブ（ベース）、元マガジンのジョン・ドイル（ドラムス）らと共にジ・アーモリー・ショウを結成します。しかし、1stアルバム『Waiting for the Floods』をリリース後に脱退し、1986年にはパブリック・イメージ・リミテッド（PiL）に加入しました。PiLには1992年のバンド解散まで在籍し、3枚のアルバムに参加しました。

PiL解散後、マッギオークは音楽業界から引退し、1995年からは看護師として新たなキャリアをスタートさせました。しかし、音楽への情熱は衰えることなく、亡くなる直前までテレビ番組向けの音楽を作曲し、提供し続けました。2004年3月4日、コーンウォールで睡眠中に息を引き取りました。48歳という若さでした。

後世への影響

ジョン・マッギオークは、同世代で最も影響力のあるギタリストの一人とされています。U2のジ・エッジ、元ザ・スミスのジョニー・マー、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドとエド・オブライエン、元ジェーンズ・アディクションのデイヴ・ナヴァロ、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン、元レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテといった、数々の著名なギタリストたちが、マッギオークから多大な影響を受けたと公言しています。特にジョン・フルシアンテは、「マガジンとスージー・アンド・ザ・バンシーズでのマッギオークの演奏を聴いてギターの弾き方を学んだ」と語っています。

日本語表記について

McGeochの日本語表記には、「マジョーチ」「マクガフ」「マッゴフ」「マッゴー」など、様々な説がありました。一般的には「マクガフ」が用いられることが多いですが、近年では「マッゴー」が原音に近いという説が有力視されていました。しかし、2009年の再結成ギグのYouTube動画やDVD「Real Life + Thereafter」において、ハワード・ディヴォートがMcGeochについて触れる際に「マッギオーク」と発音していることが確認できます。

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