ジョン・ラッセル (初代ラッセル伯爵)

初代ラッセル伯爵ジョン・ラッセルについて

概要

ジョン・ラッセル（初代ラッセル伯爵）は、1792年に生まれ、1878年に他界したイギリスの政治家であり貴族です。彼はホイッグ党（後の自由党）の改革派として有名で、1846年には首相に就任しました。しかし、党内の意見対立が激化し、1852年に総辞職を余儀なくされます。その後も政治活動を続け、外務大臣や第二次パーマストン内閣でリーダーシップを発揮しました。人生を通じて選挙法や公衆衛生といった多岐にわたる改革への尽力が光ります。

生い立ちと学歴

ラッセルは第6代ベッドフォード公爵ジョン・ラッセルの三男として誕生し、裕福な家族に育ちました。パブリックスクールで教育を受けた後、エディンバラ大学に在籍しましたが、学業は振るわず、代わりに長い政治活動の道を歩むこととなります。彼はオックスフォードやケンブリッジといった名門大学には在籍せず、これは当時の首相としては珍しい経歴でした。

政界入りと早期のキャリア

1813年にホイッグ党からデヴォン州のタヴィストック選挙区で初当選し、以降、様々な選挙区で庶民院議員として活動します。1820年代からは議会改革や差別撤廃の運動に積極的に関与しました。また、1840年にはメルバーン内閣で陸軍支払長官に就任し、1832年には第一次選挙法改正において重要な役割を果たしました。しかし、国王ウィリアム4世との対立が生じ、政治的風波に直面します。

首相への道

1846年、ラッセルは首相に就任しますが、パーマストンとの対立が深まり、党内が分裂します。この激動の中でも、工場法や公衆衛生法などの重要な法案に携わり成果を上げますが、1852年にその内閣は崩壊し、再びパーマストンが政権を取ることになります。その後、ラッセルは国際的な問題や国内政策に対処しつつ、ホイッグ党内部の派閥対立を乗り越えようと試みます。

外務大臣としての活動

ラッセルは1852年12月にアバディーン伯爵内閣に外務大臣として入閣します。在任中にはクリミア戦争を背景に外交政策を展開します。彼はイタリア統一運動やアジアとの接触などにも関心を持ちましたが、あくまでも内政での選挙法改正が本来の目標でした。彼の内閣は、カトリックとの連携を断つ政策を取ったことで、さらなる議会の混乱を招くことになります。

再度の首相就任とその後

1865年、パーマストンが死去した後、ラッセルは再び首相に就任します。しかし、選挙法改正に関する争いが続く中で、強固な支持を得られず、翌年には総辞職。1867年には党首の座をグラッドストンに譲りましたが、その後も文筆活動を行い、政治に対して積極的に関与しました。

著作と世代

ラッセルは政治活動に加え、1853年から1856年にかけてトマス・ムーアの回顧録を編集し、これを8巻以上にわたって出版しました。また、彼の家族も政界に影響を及ぼし、特に哲学者のバートランド・ラッセルは彼の孫にあたります。政治家としての彼の生涯は、イギリス議会の改革や政党政治の発展に大きく寄与しました。

最期と評判

ラッセルは1878年に76歳で亡くなり、その功績は今なお評価されています。彼の努力は自由党の基盤を築く一因となり、政治的遺産は後の世代に引き継がれることとなります。

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