スウェーデン・テレビ

スウェーデン・テレビ株式会社（Sveriges Television AB、略称：SVT）は、スウェーデンの公共放送を担うテレビ局です。イギリスのBBCや日本のNHKと同様に、視聴者からの受信料によって運営されています。しばしば「スウェーデン公共テレビ」または「スウェーデン公共放送」とも呼ばれます。

概要

SVTは、スウェーデン・ラジオ経営基金（Förvaltningsstiftelsen för Sveriges Radio AB）という独立した基金によって所有される公社です。この基金は政府によって任命された政治家が会員として構成されており、SVTの運営はスウェーデンの法律に基づいて、政府が任命する会長と取締役によって行われます。1979年以前はスウェーデン・ラジオの一部でしたが、現在は独立した組織として活動しています。

開局当初から1987年までは、スウェーデン国内で唯一の地上波テレビ局でした。現在でも、主要なスポーツ中継を除いて広告放送が禁止されており、公共放送としての役割を強く維持しています。スウェーデン国内における視聴者占有率は36.4%と、依然として最大のテレビネットワークとしての地位を確立しています。

歴史

SVTの歴史は、1954年10月29日にストックホルムのスウェーデン王立工科大学で行われた初のテレビ実験放送に遡ります。

1956年9月4日：スウェーデン・ラジオ（Radio-tjänst、略称SR）のテレビ部門として正式に開局しました。
1957年11月23日：スウェーデン・ラジオ＆テレビ（Sveriges Radio TV、略称SR）に改称されました。
1966年：スウェーデンで初めてカラー放送を開始しました。
1969年12月5日：第2チャンネル「TV2」が開局し、同時に第1チャンネルは「TV1」と改称されました。
1979年：SRから分離独立し、スウェーデン・テレビ（Sveriges Television、SVT）として新たなスタートを切りました。
1987年：民放のTV3が開局したことで、SVTのテレビ放送独占状態が終了しました。同時にTV1は「Kanal 1」に改称されました。
1988年：NICAM方式による音声多重・ステレオ放送を開始しました。
1993年：SRから完全に分離し、独立した組織となりました。
1996年1月8日：放送行政の再編に伴い、Kanal 1とTV2はそれぞれ「SVT1」と「SVT2」に改称されました。
1997年：地上波デジタル放送を開始し、SVTは6つの新しいチャンネルとSVT24、そして5つの地方チャンネルを立ち上げました。
2002年：地方チャンネルを停止し、「SVT Extra」を開始しました。
2003年：「SVT24」と「SVT Extra」は、ニュースとスポーツに特化したテーマチャンネル「24」として再編されました。
2006年：FIFAワールドカップの期間中、TV4との協力によりスウェーデン初のHD放送を開始し、「SVT HD」チャンネルを開局しました。
2007年までに、すべてのアナログ放送が停波しました。

主要チャンネル

SVTは、多様なニーズに応えるため、複数のチャンネルを運営しています。

SVT1: 総合チャンネルとして、幅広いジャンルの番組を提供しています。
SVT2: 文化、時事、ドキュメンタリーなど、専門性の高い番組を中心に放送しています。
SVT24: 夜間は再放送、日中は政治放送、週末はスポーツ中継など、時間帯によって異なる内容を放送しています。
SVTB - Barnkanalen: 子供向けの番組を専門に放送するチャンネルです。
Kunskapskanalen: 教育番組を中心とした知識チャンネルです。
SVT HD: 高画質のHD放送を提供するチャンネルです。
SVTワールド: SVTの放送から選りすぐりの番組を、衛星放送で配信しています。また、フィンランド南部のスウェーデン語地域では地上波でも放送されています。

関連項目

SVTは、過去に以下のユーロビジョン・ソング・コンテストの開催局を務めました。

ユーロビジョン・ソング・コンテスト1985
ユーロビジョン・ソング・コンテスト1992
ユーロビジョン・ソング・コンテスト2000

外部サイト

* スウェーデン・テレビ公式サイト

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