スカブミ

スカブミの魅力

スカブミはインドネシアのジャワ島にある西ジャワ州の都市で、ジャカルタから南へ約100kmの距離に位置しています。標高約600mの高原にあり、涼しい気候が特徴的で、避暑地として多くの観光客に親しまれています。2015年のデータによれば、スカブミの人口は約31万8117人であり、近年ジャカルタなど都市圏からの移住者が増加し、人口も増加傾向にあります。

自然と観光

スカブミは自然景観が豊かで、特にゲデ山（2958m）やパングランゴ山（3109m）などの美しい山々がその周囲に広がっています。これらの山々の南麓にはさまざまな登山やハイキングコースが整備されており、観光客はアクティビティを楽しむことができます。さらに、川下りなどのウォーターアクティビティも人気があります。

この地域は年間約2800mmの降水量があり、その自然環境はかつてゴムの木のプランテーションが広がっていた歴史的な背景にも影響しています。現在も豊かな植物相が見られるため、エコツーリズムにも最適です。

歴史的背景

スカブミの歴史は深く、804年に造られた「スカブミ碑文」が最古の記録とされています。11世紀には人が住む都市が形成されていたと考えられ、その後オランダ領東インド時代にはプランテーションが多数開かれました。この時期には農作物の輸送のために鉄道も整備され、スカブミに警察学校が設置されるなど、地域の発展が見られました。

第二次世界大戦中、日本の統治下でスカブミ周辺にも日本軍の守備隊が配置されました。戦争の名残として、今でも当時の港や監視塔、さらには日本兵が生活していた洞窟が残っています。これらの遺跡は当地の歴史を物語る貴重な存在です。

また、2005年には国内で撲滅されたと考えられていたポリオがスカブミで報告されるなど、近年においても地域の健康に関する問題が顕在化しました。

交通アクセス

スカブミへのアクセスは鉄道が便利です。ジャカルタとボゴールを結ぶ複線電化区間があり、ボゴールからスカブミへは単線非電化の「スカブミ線」が運行されています。この路線は観光鉄道としても知られており、風光明媚な眺めを楽しみながらの旅ができます。

ただし、近年、ボゴール・スカブミ間57kmの運行が休止され、改良工事が進められたため、一時期交通に混乱が生じました。2013年にはスカブミ線の運行が再開し、新たに設置されたパレタン駅が発着点となりました。現在はエアコン付きの高級車両と一般車両が運行され、快適な移動が可能となっています。

スカブミはその独自の自然環境や歴史、文化を持っており、多くの魅力が詰まった地域です。この地を訪れることで、インドネシアの多様性を感じることができるでしょう。

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