スガダイロー

スガダイロー：ジャンルを超越するジャズピアニスト

1974年生まれ、神奈川県鎌倉市出身のスガダイローは、日本のジャズシーンにおいて独自の地位を築くピアニストです。幼少期からクラシックピアノに親しみ、中学校時代に山下洋輔やジョン・ルイスといった巨匠の演奏に触れたことでジャズにのめり込みます。当初は生物学者を目指して大学で生物学を専攻していましたが、音楽への情熱を断ち切れず、ピアニストへの転身を決意。山下洋輔に師事するため洗足学園短期大学ジャズコースへ入学、卒業後はボストン・バークリー音楽大学に留学し、上原ひろみらと共に研鑽を積みました。

多彩な音楽活動と共演者たち

バークリー卒業後は、日本のジャズシーンで活躍する傍ら、その活動はジャズにとどまりません。渋さ知らズや鈴木勲OMA SOUNDといったバンドに参加する一方、ジェイソン・モラン、田中泯、夢枕獏、京極夏彦といった、ジャンルも世代も異なる多様なアーティストとの共演を重ねてきました。

即興演奏にも定評があり、数多くのセッションに参加。2010年には荻窪「ベルベットサン」にて「スガダイロー七夜連続七番勝負」と題したイベントを開催、志人、U-zhaan、七尾旅人らと即興セッションを繰り広げました。その模様は『八番勝負』としてCD化もされています。

向井秀徳との共演も長く、青山CAYやその他の場所で何度もセッションを行い、その即興性は高く評価されています。さらに、中村達也とのデュオユニット「赤残月」(のちに「赤斬月」へ改名)を結成するなど、精力的な活動を展開しています。

メジャーデビューと幅広い音楽性

2011年には『スガダイローの肖像・弐』でメジャーデビュー。以降も、ソロアルバムやトリオ作品、様々なアーティストとのコラボレーション作品を発表し続けています。

ソロ作品では、廃墟写真家中筋純の個展のために制作した『春風』や、1940年代のヤマハのグランドピアノを使用した『Suga Dairo Solo Piano at Velvetsun』など、繊細で美しいピアノの音色を聴かせてくれます。また、志人との共作『詩種』や、夢枕獏とのコラボレーション作品「蝉丸-陰陽師の音-」など、異色の組み合わせによる作品も話題を呼びました。

映画音楽、演劇音楽への参加

スガダイローの活動は、ジャズにとどまりません。彼は演劇や映画音楽の世界にも積極的に参加しています。白井晃演出の舞台「ペール・ギュント」や「舞台 マハゴニー市の興亡」では音楽を担当、その幅広い音楽性を発揮しています。

多くのアーティストとの繋がり

これまでに共演したアーティストの数は膨大です。代表的なところでは、山下洋輔、上原ひろみ、ジェイソン・モラン、田中泯、夢枕獏、京極夏彦、飴屋法水、近藤良平、酒井はな、contact Gonzo、向井秀徳、七尾旅人、中村達也、志人、灰野敬二、U-zhaan、仙波清彦、MERZBOW、吉田達也など、実に多様なジャンルのアーティストと交流し、刺激を受けながら音楽活動を展開しています。

まとめ

スガダイローは、クラシック音楽の素養と、ジャズを基盤とした独自の音楽性、そしてジャンルを超えた幅広い活動によって、日本の音楽シーンに独特の存在感を示しています。彼の活動は、これからもますます注目を集めるでしょう。

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