スキャップトラスト

株式会社スキャップトラストの歴史

株式会社スキャップトラスト（ScapTrust）は、1986年に日本のゲーム業界に登場した企業で、東京都渋谷区神宮前に本社を置いていました。この会社はクリスタルソフト、システムサコム、システムソフト、シンキングラビット、ハミングバードソフト、ビーピーエス、ボーステック、そしてマイクロキャビンという8つの企業の共同出資によって設立されました。設立当初から、多くの著名なゲーム開発者が関与していたことから、期待が寄せられていましたが、最終的には数本のゲームソフトをリリースした後に倒産してしまったという運命に見舞われました。

会社の設立と初期の活動

スキャップトラストは、1986年7月1日に設立され、ゲーム制作に力を入れていました。設立時から参加した企業はそれぞれ、異なる分野での豊富なノウハウと経験を持っていました。特に、アドベンチャーゲームとして多くの実績をもつマイクロキャビンが、同社の主な開発者として活躍していました。

主なゲーム作品

スキャップトラストは、いくつかのオリジナル作品を世に送り出しました。たとえば、1987年6月には『ガルフォース 創世の序曲』がPC-88、FM-7、X1、MSX2といったプラットフォーム向けにリリースされました。この作品は、当時人気を博していたOVA『ガルフォース』を題材としたアドベンチャーゲームで、マイクロキャビンの開発により大きな注目を浴びました。

次に、1988年には『スターシップランデブー』がPC-88およびMSX2向けに登場しました。この作品はアークライトが担当したもので、宇宙を舞台にした独特のゲーム体験が提供されました。そして、1990年には『紫禁城』がリリースされ、麻雀牌を使ったパズルゲームとして多くのプレイヤーに楽しんでもらいました。この作品は、その後も様々なプラットフォームに移植され、長い間親しまれました。

さらに、スキャップトラストは他社のゲーム作品の移植も手がけました。1988年には、クリスタルソフトによって1987年にリリースされたロールプレイングゲーム『クリムゾン』や、スクウェアの『ディープダンジョン 魔洞戦記』および『ディープダンジョンII 勇士の紋章』をMSX2向けにリリースしました。

発売中止となった作品

スキャップトラストは数本のゲームを開発したものの、その中には発売中止となったプロジェクトもいくつか存在しました。例えば、アクションゲーム『ガルフォース 虹のかなたに…』や、ロールプレイングゲーム『ガルフォース 怒涛のカオス』は、設立当初から開発が進められていましたが、結局リリースには至りませんでした。また、1988年から1989年頃にかけて雑誌でプロモーションされたシミュレーションゲーム『ベトナム1968』も、最終的には発売中止となりました。

結論

株式会社スキャップトラストは、短い期間の中で多くの期待と試行錯誤を重ねましたが、最終的にはその活動に終了を迎えました。その影響は、当時のゲーム業界の発展に少なからず関わっていたと言えるでしょう。彼らの挑戦は、ゲーム制作の歴史の一部として今もなお、多くのゲームファンやクリエイターに記憶されています。

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