スクワート (競走馬)

スクワート：サラブレッドの礎を築いた競走馬と種牡馬

スクワート (Squirt) は、18世紀半ばに活躍したイギリスのサラブレッド競走馬であり、種牡馬としても大きな功績を残しました。その名は、スクォートなどとも表記されます。

三大始祖の一頭であるダーレーアラビアンの血を受け継ぐスクワートは、名馬エクリプスの祖父にあたります。ヨークシャー州で生まれ、ウィリアム・メットカーフによって生産されました。その後、第2代ポートモア伯爵チャールズ・コリヤーに買い取られ、競走馬としてのキャリアをスタートさせます。

競走馬時代、スクワートはニューマーケット競馬場で開催された200ギニーを賭けたレースで、サルタンやポーカーといった強豪を相手に勝利を収めるなど、輝かしい成績を残しました。これらのレースは、当時の競馬界において大きな注目を集めていた重要なレースであり、スクワートの実力を証明するものでした。

競走馬引退後は、ハリー（またはヘンリー）・ハーパー卿に売却され、ダービーシャーの牧場で種牡馬となりました。種牡馬としての活躍も目覚ましく、マースク、シフォン、ティムといった後継種牡馬を輩出しました。中でもマースクは特に成功を収め、その産駒であるエクリプスは現代のサラブレッドの主流血統であるエクリプス系を築き上げる基礎となりました。スクワートの種牡馬としての成功は、現代競馬に計り知れない影響を与えたと言えるでしょう。

晩年、スクワートは蹄葉炎を患い、種牡馬としての活動が困難となりました。しかし、担当の馬丁の必死の懇願によって、安楽死を免れるという逸話も残されています。

スクワートの血統は、繁殖牝馬プラッツ・オールドメア（プラッツ・スクワート・メアとも呼ばれる）を通じて現代に受け継がれています。プラッツ・オールドメアは、競走馬として優れた成績を収めた産駒を数多く輩出しました。その中には、生涯で24戦16勝という輝かしい戦績を残したパンプキンや、競走馬と繁殖牝馬の両方で成功を収めたメイデンなどがいます。これらの馬たちは、スクワートの血統の優良さを証明する存在と言えるでしょう。

スクワートは競走馬として、そして種牡馬として、サラブレッドの歴史に大きな足跡を残した名馬です。その血統は、エクリプス系を通じて現代の競馬界に脈々と受け継がれ、現代のサラブレッドの基礎を築いたと言えるでしょう。ダーレーアラビアンから続く血統、そして競走馬としての成功、そして優れた種牡馬としての活躍は、スクワートという馬の偉大さを物語っています。彼の功績は、単なる競走馬や種牡馬の枠を超え、サラブレッドの歴史における重要な転換点として記憶されています。スクワートの血統は、数多くの名馬を生み出し、現代競馬の礎を築いたと言えるでしょう。その影響は、現代の競馬界においてもなお色濃く残っており、スクワートの偉大さが改めて認識されます。

もう一度検索