スケリドサウルス

スケリドサウルス（Scelidosaurus）

スケリドサウルスは、ジュラ紀前期（約1億9650万～1億8300万年前）のヨーロッパに生息していた恐竜の一種です。「四肢の爬虫類」を意味する学名を持ち、剣竜下目や曲竜下目を含む装盾亜目の初期グループであるスケリドサウルス科に分類されます。

形態

全長は約4メートルで、スケリドサウルス科の中では最大級の大きさを誇ります。その特徴は、全身を覆うように発達した骨質の装甲です。特に、背中には板状の骨板と2列に並んだスパイクが規則的に配置されています。これらの装甲は、外敵からの防御に役立ったと考えられています。

さらに、体の側面や尾の下面にも多数のスパイク列が並び、首の背面には一対の装甲板と3本のスパイクが備わっていました。これらの装甲は、スケリドサウルスの体をより強固に守る役割を果たしていたでしょう。

重厚な装甲のため、スケリドサウルスの胴体はかなりの重量があったと考えられます。また、前肢が頑丈な構造であったことから、四足歩行をしていたと推定されています。どっしりとした体格で、ゆっくりと地面を歩いていた姿が想像できます。

頭骨は比較的小さく、歯は非常に貧弱でした。口先は幅の狭い嘴状になっており、この特徴から、地表近くの柔らかい植物を選択的に採食していたと考えられています。硬い植物を噛み砕くことは苦手だったのかもしれません。

生態

スケリドサウルスは、ジュラ紀前期のヨーロッパに生息し、植物を主食としていました。全身を覆う装甲は、当時の捕食者から身を守るためのものであったと考えられます。四足歩行で、比較的動きは緩慢だったと推定されています。

分類

スケリドサウルスは、装盾亜目というグループに属しています。装盾亜目は、剣竜や曲竜など、全身を装甲で覆われた恐竜を含むグループです。スケリドサウルスは、これらの装盾亜目の初期の形態をとどめていると考えられています。

参考文献

エドウィン・ハリス・コルバート、マイケル・モラレス、イーライ・C・ミンコス『脊椎動物の進化』田隅本生（訳）、築地書房、2004年。ISBN 4-8067-1295-7。
ヘーゼル・リチャードソン、ディビッド・ノーマン（監修）『恐竜博物図鑑』出田興生（訳）、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7。

関連項目

スクテロサウルス
恐竜の一覧
* 絶滅した動物一覧

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