スコットランド聖公会

スコットランド聖公会について

スコットランド聖公会（Scottish Episcopal Church）は、アングリカン・コミュニオンに属する独立したキリスト教の教会で、イングランドのカンタベリー管区やヨーク管区とは異なる管区として運営されています。スコットランドでは、長老派のスコットランド教会が多数派を占めているため、聖公会は相対的に少数派であり、会員数は2016年時点で31,656人。この中で聖餐式に参加する信者は22,838人であり、毎週の平均的な教会出席者は約12,511人です。

歴史

スコットランドにおけるキリスト教の初期の宣教は聖ニニアンによるもので、563年には聖コルンバがアイオナ修道院を創設し、重要な活動の拠点となりました。11世紀には聖マーガレットがローマ教会との結びつきを強化しました。1560年にスコットランド宗教改革が始まり、ジョン・ノックスが中心となりスコットランド教会がローマ教会と分離しました。カルヴァン主義の影響のもと、スコットランド信条が採択され、監督制度を否定して長老による統治体制が形成されました。

その後、スコットランド王ジェームス6世がイングランド王に就任し、英語聖書である『欽定訳聖書』が広まりましたが、彼の試みはスコットランド教会において監督制を導入することには失敗しました。チャールズ1世の時代、スコットランドでの典礼に関する混乱が新たな反乱を引き起こし、王権の縮小に繋がりました。この流れの中で、長老派のカヴェナンターが主流を占めるようになりました。

スコットランド王政復古の後、チャールズ2世は監督制を強制し、激しい対立が続きました。1688年にはスコットランドでの名誉革命が起こり、教会は長老派への移行を進めました。1707年にはスコットランドとイングランドの統一により、スコットランド聖公会が再設立されました。

18世紀末には、アメリカ独立の際にコネチカットでの聖別式が行われ、米国聖公会の基盤が築かれました。神学校も1810年に設立され、現在はスコットランド聖公会神学校が聖職者の教育を統括しています。また、1900年には356の集会があり、会員数は124,335人でした。1989年には約65,000人が会員として活動し、様々な人に向けたプログラムも実施されています。

21世紀における取り組み

21世紀に入ってからスコットランド聖公会は、経済的な持続可能性や女性の積極的な登用を進め、2017年には初めての女性主教を選出しました。また、同性婚の認定も行い、社会における多様性を受け入れる姿勢を強めています。

組織と教区

スコットランド聖公会には7つの主な教区があり、アバディーン・オークニー教区、アーガイル・アイルス教区、ブレヒン教区、エディンバラ教区、グラスゴウ・ガロウェイ教区、マリー・ロス・カイトネス教区、セントアンドリューズ・ダンケルド・ダンブレイン教区が存在します。また、スコットランド聖公会神学校を通じて聖職者教育が継続されており、教会の活動において重要な役割を果たしています。

このように、スコットランド聖公会は長い歴史を経て、今日でもその存在意義を深め続けており、率先的な社会的取り組みを通じて多様な信者を迎え入れているのです。

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