スコロサウルス

スコロサウルス（Scolosaurus）

スコロサウルスは、アンキロサウルス科アンキロサウルス亜科に分類される、絶滅した鎧竜の一属です。化石は、カナダのアルバータ州にあるダイナソーパーク累層下部やオールドマン累層上部（カンパニアン期）から発見されています。現在、S. cutleri と S. thronus の2種が確認されています。

発見

スコロサウルスの最初の標本は、1914年にウィリアム・エドマンド・カトラーによってデッドロッジ渓谷で発見されました。この標本はロンドン自然史博物館に収蔵されており、1928年にフランツ・ノプシャによって記載されました。ホロタイプ標本は、尾の先端部分、右前肢、右後肢、頭骨を欠くものの、ほぼ完全な骨格を保持しており、保存状態の良い皮骨や皮膚の印象も残されています。このホロタイプは、ダイナソーパーク層の底部（約7650万年前の地層）から採集されました。

2013年には、ヴィクター・アルボアとフィリップ・カリーによって、以前はオーコトキアに分類されていた標本MOR 433がスコロサウルスとして再分類されました。この標本は、部分的な頭骨、左右の上腕骨、尾椎、そして複数の皮骨で構成されており、アメリカのモンタナ州にあるトゥーメディスン累層上部（約7400万年前の地層）から発掘されました。この標本は1986年から1987年にかけて採集され、ロッキー博物館に収蔵されています。

属名の「スコロサウルス」は、古代ギリシャ語で「杭のトカゲ」を意味します。種小名の「クトレリ (cutleri)」は、ホロタイプの発見者であるウィリアム・エドマンド・カトラーに献名されたものです。カトラーは、化石発掘中に標本が落下し、重傷を負ったとされています。

分類

1928年、ノプシャはアンキロサウルス科の標本を記載し、ディオプロサウルスから知られる要素を用いて復元図を作成しました。1971年、ウォルター・クームズは、スコロサウルスが北米カンパニアン期における唯一のアンキロサウルス類であると結論付けました。クームズは、スコロサウルス、ディオプロサウルス、アノドントサウルスをエウオプロケファルスのシノニムであると考えましたが、正式な発表は行いませんでした。その後、スコロサウルスがエウオプロケファルスのシノニムであるという説が広く受け入れられ、ホロタイプ標本NHMUK R.5161はエウオプロケファルス・トゥトゥス E. tutus として再記載されました。

しかし、2013年にポール・ペンカルスキとウィリアム・ブラウズは、カナディアン・ジャーナル・オブ・アース・サイエンス誌上で、スコロサウルスとエウオプロケファルスは異なる属であると発表しました。彼らは、スコロサウルスが頸部の装甲やその他の皮骨の細部、四肢の構造においてエウオプロケファルスと区別できると結論付けました。さらに、スコロサウルスとディオプロサウルスも腸骨と装甲によって区別されると結論付けました。その結果、1971年以降エウオプロケファルスとして復元されてきた骨格は、実際にはスコロサウルスのホロタイプに基づいていることが判明し、エウオプロケファルスのイメージとして広まっていたものの多くが実際にはスコロサウルスであったという事態になりました。

2013年の研究では、オーコトキアはスコロサウルスと区別できないとされ、ジュニアシノニムと見なされました。しかし、このシノニム化は完全な合意を得ているわけではなく、現在のところオーコトキアの名前も有効とされています。したがって、スコロサウルスに属するとされている標本の多くは、オーコトキアに関連している可能性も考慮されています。

参考標本

スコロサウルスの参考標本としては、以下のものが挙げられます。

USNM 7943：1874年にミルクリバーのロカリティーでドーソンによって発掘された標本。アルバータ州のフレンチマン累層から産出し、マーストリヒチアン階（約7060万〜6600万年前）のものと推定されています。部分的な第一ハーフリングで構成され、2013年にアルボアとカリーによってスコロサウルスに割り当てられました。
USNM 11892：1928年にジョージ・フライヤー・スタンバーグがモンタナ州のグレイシャー郡トゥーメディスン累層上部で発見した標本。カンパニアン期（約7400万年前）の砂岩から産出しました。
その他：FPDM V-31、NSM PV 20381、TMP 2001.42.9などがあります。FPDM V-31とTMP 2001.42.9は頭骨の標本であり、NSM PV 20381は頭骨、脊椎、肋骨、肩甲骨、腸骨、坐骨、大腿骨、脛骨、腓骨など、全身の骨格要素を含んでいます。

解剖学的特徴

アルボアとカリー（2013）は、スコロサウルス（トゥーメディスン累層の資料を含む）を他のアンキロサウルス類と区別する特徴として、以下の点を挙げています。

鱗状骨が比較的長く、後方に向かって明確な頂点を持つ。
鱗状骨と方頬骨の基部に小さな円形のcaputegula（口吻部の中ほどにある骨の板）が存在する。
腸骨の寛骨臼後方突起が長い。
中央の突出部が低い、比較的大きい円形の内側の皮骨、および頸部のハーフリングに潰れた半月型の外側遠位の皮骨が存在する。
仙椎の肋骨が横向きである。
皮骨は円錐形で、尾の前部の外側中央に位置する頂点を持つ。
尾の棍棒（クラブ）は、背面から見ると円形である。
* 前向きの鼻孔が存在し、鱗状骨と後眼窩骨の間の連続キールを欠く。

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