ディオプロサウルス

ディオプロサウルス (Dyoplosaurus)

ディオプロサウルスは、「二重に装甲したトカゲ」を意味する学名を持つ、白亜紀後期に生息したアンキロサウルス科の曲竜類恐竜の一属です。化石は、現在のカナダ・アルバータ州に位置する恐竜公園層の下部、カンパニア期中期（約7000万年前）の地層から発見されました。現在確認されているのは、 Dyoplosaurus acutosquameus という一種のみです。

特徴

ディオプロサウルスのタイプ標本は、全長約4.5メートル、幅約1.7メートルで、その中には長さ35センチメートルの頭骨が含まれています。他の多くのアンキロサウルス科の恐竜と同様に、ディオプロサウルスもまた、全身を装甲で覆い、尾の先には棍棒状の構造を持っていました。この尾の棍棒は、互いに癒合した複数の装甲板で構成されており、防御の武器として機能していました。

発見史

ディオプロサウルスは、1924年にウィリアム・パークスによって命名されました。命名の根拠となったのは、ホロタイプ標本ROM 784であり、これは頭骨と下顎を含む部分的な骨格です。この化石は、カナダ・アルバータ州のレッドディア川近くに位置する恐竜公園層の底面から10メートルの高さの地点で発見されました。

分類

1971年、ウォルター・クームズは、ディオプロサウルスはエウオプロケファルスのシノニム（同物異名）であるという説を提唱しました。この説が広く受け入れられた結果、長らくの間、ディオプロサウルスの標本は Euoplocephalus tutus のものとして扱われてきました。しかし、2009年に Journal of Vertebrate Paleontology で発表された最新の属の再記載において、ディオプロサウルスは有効な属であり、エウオプロケファルスとは異なる独自の属であるという主張がなされました。この主張は、ホロタイプ標本と E. tutus の他の標本との間に存在する断片的な特徴の差異に基づいています。Thompson et al.(2011)による系統解析でも、この2種が別種であることが確認されています。

参考文献

* Ankylosauridae at Thescelosaurus.com http://www.thescelosaurus.com/ankylosauria.htm

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