スズキ・シアズ

スズキ シアズ (Ciaz) の概要

スズキ シアズは、日本国外で製造・販売されているCセグメントに属する4ドアセダンです。この車は、地域によって異なる仕様と名称で展開されており、グローバル市場でのスズキの戦略的な位置づけを示しています。

各市場での展開

インド市場:
「シアズ」として販売され、スズキの上級車チャネルである「NEXA（ネクサ）」で取り扱われます。これは、シアズがインド市場において、よりプレミアムな位置づけであることを示しています。
インド市場向けには、ガソリンとディーゼルの2種類のエンジンが提供されています。ガソリンモデルは1.4L K14B型エンジンを搭載し、ディーゼルモデルはフィアット製の1.3L Multijetエンジンを搭載しています。
特にディーゼルモデルには、マイルドハイブリッドシステム「SHVS」が搭載されており、高い燃費性能を誇ります。
中国市場:
「アリビオ (Alivio)」という名称で販売されています（中国名：啓悦、チーユエ）。
アリビオは、シアズとはフロントグリル、バンパー、テールライトのデザインが異なり、市場のニーズに合わせた外観となっています。
中国市場向けには1.6L M16A型ガソリンエンジンのみが設定されています。
タイ市場:
タイ政府のエコカー認定基準を満たすため、1.25L K12B型ガソリンエンジンが搭載されています。
トランスミッションは5速MTまたはCVTが設定されています。

デザインとコンセプト

シアズ/アリビオのデザインは、2013年4月の上海モーターショーで発表された「オーセンティックス」コンセプトがルーツです。その後、2014年には「コンセプト シアズ」と「コンセプト アリビオ」がそれぞれ公開され、市販モデルへと発展しました。

生産と輸出

シアズは、主にマルチ・スズキ・インディアのマーネーサル工場で生産され、インド国内だけでなく、中近東、中南米、アフリカ諸国に輸出されています。タイ市場向けのシアズは、スズキ・モーター・タイランドのラヨーン工場で生産され、中国市場向けのアリビオは、長安鈴木汽車で製造されています。

主要装備

シアズは、プレミアムクラスに相応しい装備が用意されています。これには、自動温度調節器、キーレススタートシステム、6スピーカー、ナビゲーションシステム、バックカメラ+パーキングセンサー、自動防眩バックミラー、プロジェクターヘッドランプ、USB/AUX/Bluetooth対応オーディオシステム、サンルーフなどが含まれます。

エンジンと性能

インド市場向けのシアズには、以下のエンジンが搭載されています。

ガソリンエンジン:
K14B型 1.4L エンジン
VVT（可変バルブタイミング）機構付き
最高出力: 68kW (92PS) / 6,000rpm
最大トルク: 130Nm / 4,000rpm
燃費: 20.73km/L
ディーゼルエンジン:
フィアット製 1.3L Multijetエンジン (DDiS200)
最高出力: 66kW (90PS) / 4,000rpm
最大トルク: 200Nm / 1,750rpm
燃費: 26.21km/L
ディーゼル SHVS (マイルドハイブリッド):
スタータージェネレーターとエネルギー回生機構搭載
燃費: 28.09km/L

中国市場向けのアリビオには、1.6L M16A型ガソリンエンジンが搭載され、5速MTまたは6速ATが組み合わされます。

タイ市場向けのシアズには、1.25L K12B型ガソリンエンジンが搭載され、5速MTまたはCVTが組み合わされます。

年表

2014年
9月: インド市場で予約開始（2週間で5,000台受注）
10月: インドで発表・販売開始
12月: 中国市場でアリビオ販売開始
2015年
2月: メキシコで販売開始
3月: タイで初出展
4月: 南アフリカで販売開始
6月: 累計販売台数5万台達成
7月: タイで販売開始
9月: インドで「スマートハイブリッド」仕様追加
10月: インドでスポーツ仕様「RS」追加
2017年
3月: インド市場での取り扱いがNEXAへ移行
2020年
* 1月: インドでスポーツグレード「シアズS」追加

まとめ

スズキ シアズは、グローバル市場での多様なニーズに応えるために、地域ごとに異なる戦略で展開されています。燃費性能、上級装備、そして各市場に合わせたデザインやエンジンラインナップが特徴であり、スズキの海外市場における重要なモデルの一つです。

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