スタティウス

プブリウス・パピニウス・スタティウス（Publius Papinius Statius、45年頃 - 96年頃）は、ローマ帝政期を代表する詩人の一人です。

生涯

スタティウスは、紀元45年頃にナポリで生まれました。彼の父はヴェーリア出身で、詩人として知られており、ローマ帝国各地で開催された詩の競技会で何度も優勝するほどの腕前でした。スタティウスは幼い頃から父から詩の手ほどきを受け、その才能を開花させていきました。早くから詩の競技会に参加し始め、その才能を発揮しました。

スタティウスの才能は、時の皇帝ドミティアヌスの目に留まり、皇帝自らから金冠を授与されるという栄誉に浴しました。その後、スタティウスは首都ローマに移り住み、未亡人であったクラウディアと結婚しました。

ローマでの居住期間中、スタティウスは叙事詩『テーバイド』を発表し、大きな反響を呼びました。この作品は、テーバイの物語を題材とした壮大な叙事詩であり、スタティウスの名声を確立する上で重要な役割を果たしました。さらに、彼は32編の詩から構成される『シルウァエ』を書き上げました。この作品集は、様々なテーマを扱った詩を収録しており、スタティウスの詩人としての多才さを示しています。

晩年、スタティウスは故郷であるナポリに隠遁し、叙事詩『アキレイス』の執筆に取り組みました。しかし、志半ばにしてナポリで死去し、『アキレイス』は未完のまま残されました。

後世への影響

スタティウスの作品は、後世の文学に大きな影響を与えました。ジョヴァンニ・ボッカッチョやジェフリー・チョーサーといった著名な作家たちが、スタティウスの作品からインスピレーションを受けたとされています。また、ダンテ・アリギエーリの『神曲』には、スタティウスが登場人物として描かれています。これは、ダンテがスタティウスを高く評価していたことの証左と言えるでしょう。

日本語訳

スタティウス『テーバイ物語』全2冊、山田哲子訳、京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2024年9月-10月

外部リンク

『テーバイド』、『シルウァエ』、『アキレイス』のテキスト（ラテン図書館）（ラテン語）

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