スターライト釧路号

スターライト釧路号は、北海道中央バス、くしろバス、阿寒バスが共同で運行する札幌と釧路を結ぶ都市間バス路線です。

概要

北海道中央バスにとって初の夜行路線として運行を開始しました。当時は札幌と函館を結ぶ夜行バス「オーロラ号」が会員制ツアーバス形式であったため、路線バスとして運行する夜行バスはスターライト釧路号が北海道で初めてでした。

運行開始当初は道内の路線バスとして最長の380kmを走る路線でした。夜行路線バスの運行経験がなかった北海道中央バスでは、担当者が青森県と首都圏を結ぶ夜行バス「ノクターン号」に乗車してノウハウを習得したそうです。また、冬の北海道での夜行バス運行に即した独自の工夫が車両にも施されました。

内装: カーペットとカーテンは特注の厚手のものが採用され、保温効果を高めるとともに静粛性にも配慮されました。
座席: 座席備え付けの毛布は、外気温の影響を受けやすい窓側の座席には特に厚手の特注品が用意されました。
暖房: 厳冬期には、外気温と車内温度の差を縮めるため、到着前に暖房を停止するなどの対策が取られました。

1987年 8月6日に運行を開始した時点では北海道中央バスの単独運行でした。しかし、最初の冬を事故や運休なく乗り越え、大きな遅延も発生しなかったことから、利用者の信頼を得ることに成功しました。運行開始後10ヶ月間の利用実績は約43,000人、1日の平均利用者数は144人（片道あたり72人、バス約3台分）と好調な結果となりました。また、利用者の60%が女性であったことから、「オーロラ号」函館線に続いて1988年11月より3台のうち1台が女性専用車に設定されました。

スターライト釧路号の成功は、夜行急行列車「まりも」を運行するJR北海道にも影響を与え、急行「まりも」は指定席車両を「ドリームカー」としてグレードアップし、割引乗車券「まりもドリームきっぷ」（夜行列車往復割引きっぷ）なども設定しました。

その後、国道274号のむかわ町穂別～日高町日高間（石勝樹海ロード）開通に伴い、1992年 7月11日より昼行便が新設され、くしろバスと阿寒バスも参入し、3社共同運行となりました。最盛期には夜行を含めて4往復で運行されましたが、1999年に昼行便は1往復に減便されました。道東自動車道の夕張ICから占冠ICまでの開通が翌年に迫った2010年より増回が検討され、乗客からの要望が多かった釧路発朝・札幌発夕方の昼行便が2011年7月28日より設定され、昼行便は2往復となりました。2012年11月30日からは昼行便が曜日限定で3往復に戻りました。一方、2008年 8月31日限りでJR北海道が運行していた夜行列車「まりも」が廃止された以後、釧路と札幌の夜行公共交通機関としては唯一の存在となっていましたが、2013年 4月24日から北海道バスの釧路特急ニュースター号が運行開始したため、現在は2路線となっています。

沿革

1987年
7月6日 - 札幌釧路線の予約受付開始。
8月6日 - 定期運行開始。
1992年 7月11日 - 大幅なダイヤ改正。くしろバス、阿寒バスが新規参入。
1995年 12月1日 - 大幅なダイヤ改正。釧路ターミナルを廃止。
1996年 7月20日 - 道東自動車道供用開始に伴うダイヤ改正。
1999年 4月1日 - 全席禁煙化。昼行便を1往復に減回。
2011年7月28日 - ダイヤ改正。昼行便1往復増回。
2015年 3月30日 - 道東自動車道浦幌IC - 白糠IC開通に伴い、昼行便を白糠IC経由に変更。所要時間15分短縮。併せて昼行便1往復増回し昼行4往復、夜行1往復に。
2016年3月13日 - 道東自動車道白糠IC - 阿寒IC開通に伴い、昼行便を阿寒IC経由に変更。所要時間15分短縮。
2023年10月1日 - ダイヤ改正。札幌駅前ターミナル一時閉鎖に伴い、札幌駅の乗降停留所を変更。変動制運賃を適用。

運行経路

2023年10月1日現在

昼行便
札幌駅前・中央バス札幌ターミナル（釧路行）/時計台前（札幌行）・地下鉄大谷地駅（大谷地バスターミナル） -（道央自動車道・道東自動車道・国道38号）- 大楽毛駅前・鳥取分岐・釧路駅前（釧路駅前バスターミナル）・くしろバス本社
夜行便（運休中）
札幌駅前・中央バス札幌ターミナル・地下鉄大谷地駅（札幌行のみ） -（道央自動車道・道東自動車道・国道38号）- 音別駅前・白糠・大楽毛駅前・鳥取分岐・釧路駅前・くしろバス本社

運行本数

2023年10月1日現在

4往復（運休中の夜行便を含まず）

乗車券

予約制（全席指定）。運賃は乗車日による変動制。早期購入割引の設定もあります。

使用車両

原則として独立3列シート（一部4列）・トイレ付のスーパーハイデッカーが使用されますが、繁忙期等の2号車以降は4列シート車が使用される場合があります。

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