スター・パイシス

スター・パイシスは、かつて「カリプソ」というフェリーとして活躍していた船を、クルーズ客船として生まれ変わらせたものです。その歴史は、1980年代末のバルト海フェリー建造ラッシュに遡ります。

ヴァイキングライン時代

当時、シリヤラインとヴァイキングラインの2社は、バルト海航路で激しい競争を繰り広げており、1985年から1991年にかけて11隻もの新造船が就航しました。カリプソもそのうちの1隻として計画されましたが、建造中に造船所が破綻。その後、マサ造船所が経営を引き継ぎ、1990年4月30日にトゥルク-マリエハムン・ストックホルム航路に就航しました。

しかし、1993年に親会社であるRederi AB Sliteが経営危機に陥り、当時世界最大のフェリーとなる「ヨーロッパ」をシリヤラインに売却。カリプソも同型のアテナと共に競売にかけられ、スタークルーズが落札しました。その後、1994年1月までヴァイキングラインで運航された後、スタークルーズへと引き渡されました。

スタークルーズ時代

スタークルーズに引き渡されたカリプソは、まずナーンタリへ回航され、その後ラウマのフィンヤードにてクルーズ客船への大改装が行われました。船名も「スター・パイシス」と改められ、1994年4月には姉妹船である「ランカプリ・スター・アクエリアス」（元アテナ）と共に、シンガポール発着のクルーズを開始しました。外観も大きく変わり、ヴァイキングライン時代のダークブルーの船体は、スタークルーズの他の船と同様に白く塗り替えられました。

当初は香港を拠点に昼夜クルーズを提供していましたが、2009年5月に一旦クルーズ客船としての運航を中止。その後、香港とクラン港で改修工事を行い、2010年2月にペナン島発着のクルーズで運航を再開しました。しかし、同年12月には再び運航を休止。2011年1月にはシンガポールでリノベーションが行われ、スタークルーズの新塗装が施された最初の船となりました。

その後、スター・パイシスは台湾航路に回った「スーパースター・アクエリアス」に代わり、香港発着のクルーズを再開。ペナン島航路には、「スーパースター・リブラ」が投入されました。

船内設備

スター・パイシスには、多彩なレストランやバー、エンターテイメント施設が備わっており、乗客は快適な船旅を楽しむことができます。

レストラン
ビュッフェレストラン
オーシャンパレス
マリナーズバフェット
ダイニング
タイパン
その他
ブルーラグーン（東南アジア屋台料理）
ウミカワ（寿司レストラン）

バー
サンセットブルーバード

その他の設備
シアター
ショーラウンジ
ラウンジ
マキシムズラウンジ
オブザベーションラウンジ
スパ
アトリウム
美容室
プール
カジノ
売店、免税店

船室
スター・パイシスには、様々なタイプの客室が用意されており、乗客のニーズに合わせて選ぶことができます。
スイート
ゲンティンスイート
マキシムズスイート
デラックス
スーペリアデラックス
ステート
デラックスステート（海側）
スタンダードステート（内側）

スター・パイシスは、その歴史と多彩な設備で、多くの乗客に愛されてきたクルーズ客船です。現在は、主にアジア地域でクルーズを展開し、快適な船旅を提供しています。

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