スティンガー (カクテル)

スティンガー：甘美な夜を彩るカクテル

スティンガーは、ブランデーとペパーミントリキュールを組み合わせた、シンプルながらも洗練された味わいのカクテルです。その甘さと爽やかさから、食後のデザート代わりや、一日の終わりにゆっくりと楽しむナイトキャップとして愛されています。

名前と歴史

スティンガー（Stinger）という名前は、「針」や「棘」を意味する英語に由来します。このカクテルが持つ、ペパーミントリキュールのシャープな風味が、まるで針のように感じられることから名付けられたという説があります。

誕生は20世紀初頭のニューヨーク。コロニーレストランのバーテンダーが生み出したこのカクテルは、瞬く間に店の看板メニューとなり、その後、数々の映画や小説に登場することで、世界的な知名度を獲得しました。

レシピ

国際バーテンダー協会（IBA）による標準的なレシピは以下の通りです。

コニャック: 50ml
ホワイト・ペパーミントリキュール: 20ml

作り方:

1. ミキシンググラスに氷を入れ、コニャックとペパーミントリキュールを注ぎます。
2. バースプーンで丁寧にステアします。
3. 冷やしたマティーニグラスに Strain (ストレーナー) を通して注ぎます。
4. お好みでミントの葉を飾ります。

伝統的にはシェイクで作られていた時代もありましたが、現在ではステアが一般的です。

バリエーション

スティンガーには、様々なバリエーションが存在します。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

エメラルド: ホワイト・ペパーミントリキュールをグリーン・ペパーミントリキュールに変更したものです。鮮やかな緑色が特徴です。
デビル: エメラルドにレッドペッパーの粉を少量振りかけた、刺激的な一杯です。
スティンガー・オン・ザ・ロックス: ブランデーのオン・ザ・ロックスに、少量のホワイト・ペパーミントリキュールを加えたシンプルなスタイルです。
ホワイト・スパイダー: ブランデーをウォッカに替えたもので、「ウォッカ・スティンガー」とも呼ばれます。

スティンガーが登場する作品

スティンガーは、多くの映画や小説に登場し、その魅力的な存在感を示しています。

小説

007 ダイヤモンドは永遠に - ジェームズ・ボンドとティファニー・ケイスが作中でスティンガーを飲むシーンがあります。
寒い国から帰ってきたスパイ - アレック・リーマスが愛飲するカクテルとして登場します。

ミュージカル

カンパニー - ジョアンがウォッカ・スティンガーを飲むシーンがあり、その場面を彩る楽曲「有閑マダムの装い」も印象的です。

テレビドラマ

マッドメン - シーズン1の第12話に登場。スポンサーのバカルディのラム酒を使ったスティンガーが作られます。

映画

気まぐれ天使 - 天使ダドリーがランチにスティンガーを注文するシーンがあります。
大時計 - バーで、通常のスティンガーよりも緑色の濃いものをジョージ・ストロードが注文します。
孤独な場所で - チャーリー・ウォーターマンがバーで注文するカクテルとして登場します。
上流社会 - C・K・デクスター＝ヘヴンがランチの際に注文します。
アパートの鍵貸します - ジョー・ドービッシュが、バーにいたブロンドの女性を口説く際に注文します。
007/サンダーボール作戦
007/ダイヤモンドは永遠に
シャンプー - ジルが「スティンガーを飲んでる」と言うシーンがあります。
* ゴーリキー・パーク - スティンガーを注文したアルカージー・レンコ大尉に対し、ウィリアム・カーウィルが「スティンガーは評判が悪い」と告げるシーンがあります。

このように、スティンガーは時代を超えて、様々な作品の中で愛され続けているカクテルなのです。ぜひ、あなたもスティンガーを味わい、その魅力に触れてみてください。

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