ステファン・ペイト

ステファン・ペイト（Stephen Pate、1964年1月25日生まれ）は、オーストラリア・ビクトリア州出身の元自転車競技選手です。

経歴

1988年、ベルギーのヘントで開催されたトラックレース世界自転車選手権プロスプリント準決勝で、前年の優勝者である俵信之選手をストレートで破るという衝撃的な勝利を飾ります。決勝では、イタリアのクラウディオ・ゴリネッリ選手（後に失格処分）を同様にストレートで下し、日本勢による同種目12連覇を阻止しました。この勝利は、ペイト選手の名を世界に知らしめる大きな転機となりました。

1990年春には国際競輪に出場し、その圧倒的な強さを見せつけました。各地で他を寄せ付けない走りを展開し、国際競輪グランプリでも圧勝。その強烈な印象から、競輪関係者やマスコミからは「赤鬼」という異名で呼ばれるようになりました。同年8月、グリーンドーム前橋で開催されたトラックレース世界自転車選手権では、プロスプリントで3位入賞を果たします。続くケイリンでは決勝に進出し、ゴール寸前でプロスプリント優勝者のミカエル・ヒュープナー選手（ドイツ）を差しきって優勝したかに見えましたが、2センターでのヒュープナー選手に対する内側からの押し上げ行為が失格と判定されてしまいます。

1991年、ペイト選手は再び国際競輪に出場し、国際競輪グランプリを連覇。シュトゥットガルトで開催された世界選手権では、プロスプリントで再び3位に入賞しますが、後にドーピング違反が判明し、順位を剥奪されるという苦い経験をします。しかし、1992年の世界選手権（バレンシア）プロケイリンでは、同種目3連覇を達成したヒュープナー選手に次いで2位に入賞。この年を境に、スプリント、ケイリンといった短距離種目への出場は事実上なくなります。

1993年、ハマール（ノルウェー）で開催された世界選手権ではタンデムスプリントに出場し2位。その後はマディソンに転身し、1996年、マンチェスターで開催された世界選手権ではスコット・マグローリー選手とペアを組んで2位に入賞しました。

1998年、オーストラリア選手権のマディソンで優勝するものの、世界選手権の代表の座を逃したことをきっかけに、国際大会の舞台で活躍する機会は失われました。

ステファン・ペイト選手の競技人生は、その才能と努力、そして数々の栄光と挫折が入り混じった、波瀾万丈なものでした。

外部リンク

* ステファン・ペイト - サイクリングアーカイヴス（英語）

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