ストップチャージングマリア

ストップチャージングマリア：G1競走を制した名牝の軌跡

ストップチャージングマリア (Stopchargingmaria) は、アメリカ合衆国で活躍したサラブレッドの競走馬、そして繁殖牝馬です。2011年3月26日生まれ。類まれな競走能力で数々のG1競走を制覇し、競走馬としての輝かしい経歴だけでなく、セリ市場での高額取引や繁殖牝馬としての将来性も注目を集めました。本稿では、その生涯を詳細にたどります。

出身と初期のキャリア

ストップチャージングマリアは、名馬アイルハヴアナザーの生産で知られるハーヴェイ・クラーク氏とブルックデールファームの共同生産により誕生しました。1歳時にはキーンランドセプテンバーセールでウッドフォード・サラブレッズ社に落札され、その後オカラブリーダーズセールでマイク・リポールのリポールステーブルに高額で落札されました。愛称の由来は、リポールの妻マリア氏の買い物好きにちなむという逸話が残っています。

2歳時のデビューは圧巻でした。サラトガ競馬場での未勝利戦で2着馬に5馬身半差をつける圧勝劇を演じ、その後もスピナウェイステークス（G1）2着、フリゼットステークス（G1）3着と好成績を収めました。テンプティッドステークス（G3）では1番人気に応え、2着馬に10馬身3/4差をつける圧勝でグレード競走初制覇を達成。続くデモワゼルステークス（G2）も制し、2歳シーズンを華々しく締めくくりました。

3歳時：G1競走制覇への道

3歳シーズンは、ケンタッキーオークスを回避し、ブラックアイドスーザンステークス（G2）を制覇して始まりました。その後、コーチングクラブアメリカンオークス（G1）では単勝1番人気に推され、最後の直線で突き放し、5馬身差で優勝。初のG1タイトルを獲得しました。続くアラバマステークス（G1）でも、断然1番人気に応え、G1連勝を達成。この勝利は、プレッチャー調教師の北米におけるステークス競走1000勝という偉業達成にも貢献しました。ベルデイムステークス（G1）では2着に敗れましたが、その後のファシグ・ティプトンノベンバーセールでは高額落札を逃れ、タウン・アンド・カントリーレーシング社に売却されました。

4歳時：ブリーダーズカップ・ディスタフ制覇

4歳シーズンは、マディソンステークス（G1）2着からスタート。アレールデュポンディスタフステークス（G3）、シュヴィーハンデキャップ（G3）と連勝を飾りましたが、パーソナルエンスンステークス（G1）では4着に終わりました。しかし、ブリーダーズカップ・ディスタフ（G1）では4番人気ながら、最後の直線で抜け出し、クビ差で優勝。3度目のG1タイトルを獲得しました。レース後には審議が入りましが、結果は覆りませんでした。

5歳時以降：引退と繁殖入り

5歳シーズンは、マディソンステークスで2着、オグデンフィップスステークス（G1）で6着と振るわず、9月に引退を発表しました。その後、ファシグ・ティプトンノベンバーセールで280万ドルという高額で落札され、繁殖牝馬入りしました。スリーチムニーファーム、ウィスパーヒル牧場と繋養先を変えながら繁殖生活を送っており、複数の仔を産んでいますが、現時点では顕著な成績を挙げた産駒は出ていません。

まとめ

ストップチャージングマリアは、卓越した競走能力と、セリ市場での人気を兼ね備えた、稀有な競走馬でした。数々のG1競走制覇は、その才能と強さを証明しています。繁殖牝馬としての活躍にも期待がかかりますが、今後の仔馬たちの活躍に注目が集まります。彼女が残した記録は、競馬史に長く記憶されることでしょう。

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