ストリートファイター (1994年の映画)

映画『ストリートファイター』（1994年）解説

『ストリートファイター』（Street Fighter）は、人気対戦型格闘ゲーム『ストリートファイター』シリーズを原作とする1994年のアメリカ映画です。映画の内容は、制作当時の現役シリーズであった『ストリートファイターII』シリーズをベースにしています。

ストーリー

物語は、東南アジアの軍事国家シャドルーを舞台に展開します。独裁者バイソン将軍が国連派遣医療団を拉致し、連合軍のガイル大佐に巨額の身代金を要求します。ガイルは、無法者のケンとリュウを利用してバイソン打倒を画策。一方、バイソンは捕らえた国連兵士を使って恐るべき人体実験を進めていました。

登場人物

映画では、ゲーム版の設定が大幅に変更されているキャラクターも存在します。例えば、リュウとケンは詐欺師として登場し、ガイル大佐に協力することになります。また、映画オリジナルのキャラクターとして、ガイル大佐を補佐するサワダ大尉が登場します。

連合軍

ウィリアム・F・ガイル大佐：ジャン＝クロード・ヴァン・ダムが演じる、バイソン将軍打倒に燃えるアメリカ人大佐。ケンとリュウに協力を持ちかけ、サガットを逃がす策略を使い、バイソン将軍の本拠地への侵入を試みます。
キャミィ・ホワイト：カイリー・ミノーグが演じる、ガイル大佐を補佐するイギリス人女性。身軽な動きで敵を倒します。
T.ホーク：グレッグ・レインウォーターが演じる、ガイル大佐の補佐。ネイティブアメリカンで、パワー攻撃が得意です。
キャプテン・サワダ：澤田謙也が演じる、ガイル大佐につく日本人大尉。映画オリジナルキャラクターです。
チュンリー・ザン：ミンナ・ウェンが演じる、GNTのテレビリポーター。バイソン将軍への復讐を誓っています。
エドモンド本田：ピーター・ネイビー・トゥイアソソポが演じる、GNTの撮影クルー。元力士で、バイソン将軍に恨みを持っています。
バルログ：グランド・L・ブッシュが演じる、GNTのカメラマン。元ボクサーで、バイソン将軍に恨みを持っています。
リュウ・ホシ：バイロン・マンが演じる、日本人空手家。詐欺師として生計を立てていますが、情に厚い一面も持ち合わせています。
ケン・マスターズ：ダミアン・チャパが演じる、アメリカ人空手家でリュウの相棒。金に弱いですが、リュウとの友情を大切にしています。

軍事国家シャドルー

M・バイソン将軍：ラウル・ジュリアが演じる、シャドルーの支配者。人体実験を行い、改造兵士を作り出そうとします。格闘技にも秀でており、ガイルとの一騎打ちを繰り広げます。
ザンギエフ：アンドリュー・ブリニアースキーが演じる、バイソン将軍の部下。怪力の持ち主ですが、頭脳はあまり良くありません。
ディー・ジェイ：ミゲル・A・ヌネス・ジュニアが演じる、バイソン将軍の部下。口達者ですが、臆病な性格です。
ダルシム博士：ロシャン・セスが演じる、有能な博士。バイソン将軍に脅され、人体実験に協力させられています。
カルロス・ブランカ：ロバート・マンモンが演じる、ガイルの親友の中尉。バイソン将軍に捕らえられ、改造人間「モンスター・ブランカ」にされます。
ビクター・サガット：ウェス・ステュディが演じる、シャドルーの裏社会を牛耳る賭け闘技の主催者。バイソン将軍と対立します。
ベガ：ジェイ・タバーレが演じる、賭け闘技のファイター。ナルシストで、リュウと再戦します。

制作スタッフ

監督はスティーヴン・デ・スーザ、製作はエドワード・R・プレスマンと辻本憲三が担当しました。音楽はグレーム・レヴェルが手掛けています。

評価

映画『ストリートファイター』は、ゲーム版の設定を大胆にアレンジしたことで、賛否両論を呼びました。しかし、ジャン＝クロード・ヴァン・ダムをはじめとするキャストの熱演や、スピーディーなアクションシーンは評価されています。

ゲーム化

映画公開後には、本作の実写映像を使用した対戦型格闘ゲームがカプコンから2作品発売されました。

ストリートファイター ザ・ムービー：アーケードゲーム。原作『ストリートファイターII』シリーズとは異なるゲーム性となっています。
ストリートファイター リアルバトル オン フィルム：セガサターンとプレイステーションで発売。『スーパーストリートファイターIIX』をベースとし、ガイル大佐を主人公にしたストーリーモードも収録されています。

アニメ化

アメリカでは、本作の設定を引き継いだテレビアニメ『Street Fighter』が1995年から1997年にかけて放映されました。日本では『ストリートファイター USA』というタイトルで配信されています。

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