ストリームベース

ストリームベース (STREAM BASE) の歴史と影響

ストリームベースは、1980年代に活動していた日本のモデラー集団です。この團体は、ガンプラブームの火付け役となり、特に『モビルスーツバリエーション (MSV)』という新シリーズの企画に深く関わりました。彼らは最初に「ストリーム・ベース」と中黒を入れて名前が呼ばれていましたが、その後は中黒なしで表記されるようになりました。

結成から初期の活動

1980年2月29日、東京都渋谷区笹塚に位置する模型店「ホビーショップえんどう」の常連客によってモデリングサークルを結成しました。初期のメンバーは14名で、集団名は小田雅弘が名付けたもので、漫画『青の6号』に登場する敵移動基地に由来しています。この名前は日本語の「漂流要塞」という意味を含み、メンバーが玩具店や模型店を行き来していたことへの皮肉も込められています。

キャラクター班の結成

小田は世田谷区の玩具店「ワイルドボア」で模型コンテストに参加していた高橋昌也をスカウトし、さらに彼の高校の同級生である川口克己も加わりました。彼らは放送が終了した『機動戦士ガンダム』に強い興味を持ち、ガンプラが発売される前から登場するモビルスーツの模型を自作していました。これがストリームベースのキャラクター班の活動の礎になります。

モデルの掲載とブームの到来

ストリームベースは、模型誌『ホビージャパン』の特集号に自作の1/100のモビルスーツモデルを寄稿し、これが彼らのモデル製作における初めての公開となりました。誌面には同時にバンダイによるプラモデル化の速報も載せられ、すぐにガンプラブームが巻き起こりました。このブームは、彼らの作例が小学生を中心に火を付け、1981年3月号の『ホビージャパン』の表紙に登場した「トリプル・ドム」作例などが大きな反響を呼びました。彼らの活動は模型作りのスタンダードを新たに設定し、人気を博しました。

メディアとの関わり

1981年に行われた「SFモデル座談会」では、ストリームベースのメンバーと『機動戦士ガンダム』のメカデザイナー、大河原邦男氏、バンダイのスタッフが出席し、貴重な意見交換が行われました。この座談会から広がりを見せ、同年11月には新たに創刊された漫画、『コミックボンボン』で模型作例にも参加するようになります。また、同誌連載の『プラモ狂四郎』の原作もストリームベースが担当し、ガンプラブームを盛り上げました。

MSVとその影響

1983年3月、バンダイは新シリーズ『MSV』を発表しました。小田がディレクターとして参画し、高橋と川口がアイデア出しとモデル作成を担当しました。1984年まで続いたこのシリーズは、後の『MS-X』企画にも影響を与えましたが、残念ながら『機動戦士Ζガンダム』の制作により商品化される機会は得られませんでした。

活動の終息とその後

ストリームベース名義が使われなくなった後も、メンバーはそれぞれの道を歩み続けました。小田は新たな模型雑誌で活動を続け、高橋は漫画の原作を手掛けるなど、それぞれがそれまでの経験を活かしながら、多様な作品に取り組んでいきます。ストリームベースの活動が途絶えた明確な宣言はありませんが、1999年や2018年においても、彼らの名前が復活し再評価されています。特に、ウェブサイト『魂ウェブ』でのインタビューや企画は、彼らの存在を改めてフィーチャーし、多くのファンに支持されています。

クラフト団というユニット

安井尚志とストリームベースによるユニット「クラフト団」では、漫画『プラモ狂四郎』の原作を担い、小田たちがアイデアを提供する形で進行されました。彼らのキャラクターは作品内に登場し、小中学生にとってのアイドル的存在となるなど、文化的な影響を強めていきました。

ストリームベースは、日本の模型文化における重要な存在であり、今なおその影響力は色あせることなく受け継がれています。

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