ストロボスコープ

ストロボスコープとは

ストロボスコープは、短い時間だけ発光する光源を一定間隔で繰り返し発光させる装置です。この光を利用することで、高速で回転したり複雑な動きをする物体を、まるでコマ送りのように静止して見せたり、ゆっくり動いているように見せることができます。光源には、エレクトロニックフラッシュや高輝度LEDなどが用いられます。

ストロボスコープの仕組み

ストロボスコープの基本的な原理は、光を断続的に当てることで、対象物の動きを瞬間的に捉えることです。例えば、高速で回転する扇風機の羽根にストロボ光を当てると、羽根が止まって見えたり、ゆっくりと回転しているように見えたりします。これは、ストロボ光が発光するタイミングと羽根の動きが同期することで起こる現象です。この効果を利用することで、人間の目では捉えられない高速な動きを、あたかもスローモーションのように観察できます。

ストロボスコープによる記録

ストロボスコープを用いて写真撮影を行う場合、いくつかの注意点があります。動かないものはストロボ光を複数回浴びて露出過多になりやすく、白く飛んでしまうことがあります。特に背景が白飛びすると、肝心の被写体がはっきり写らないため、背景を黒くしたり、遠くに配置するなどして対策を施す必要があります。また、フラッシュメーターを使用すれば、複数回の発光による露出量を事前に確認でき、適切な露出で撮影できます。

ストロボスコープの用途

ストロボスコープは、その特性から様々な分野で活用されています。

産業用途:
エンジンやモーターなど、高速回転する機械の回転数を計測する。
移動する物体の速度を計測する。
機械の振動や変形を分析する。

教育用途:
理科の実験や授業で、運動の法則や振動の仕組みを可視化する。
教材として、回転運動や振動現象を解説する写真や動画の撮影に利用される。

日用品:
レコードプレーヤーの回転速度を校正するためのパターンに利用される。ターンテーブルの側面に印刷されたパターンが、ストロボ光によって静止して見えることで、正確な回転速度を判断できる。

ストロボスコープの歴史

ストロボスコープの原型は、光を断続的に当てるのではなく、スリットのあいた回転体を通して対象物を観察する装置に遡ることができます。例えば、ゾートロープやフェナキストスコープは、回転する円盤や円筒に開けられたスリットを通して映像を見ることで、アニメーションのような効果を生み出す仕組みです。また、プラキシノスコープは、鏡を利用して映像を投影する、幻燈のような効果を持つ装置です。

現代のストロボスコープは、エレクトロニクスフラッシュの登場によって発展しました。もともとストロボとは、ストロボスコープに由来する言葉であり、写真撮影用のフラッシュとして一般的に使われるようになりました。以前は使い捨てのフラッシュランプが主流でしたが、現在では、様々なタイプのストロボが利用可能です。

関連用語

ストロボ効果: ストロボ光によって、動きのある物体が静止して見えたり、ゆっくり動いて見える現象。
ハロルド・ユージン・エジャートン: ストロボスコープを用いた高速撮影のパイオニア。
ジョン・ミリ: ストロボ撮影の分野で活躍した写真家。

関連企業

菅原研究所
日進電子工業
日本電産シンポ
マシンテックス (ドイツBBE社製品取扱)


ストロボスコープは、科学技術の発展に貢献してきた重要な装置です。今後も、様々な分野での活用が期待されます。

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