ストーミングホーム

ストーミングホーム：国際舞台を駆け抜けた競走馬とその波乱に満ちた生涯

ストーミングホームは、イギリスで生まれ、国際色豊かな競走生活を送ったサラブレッドです。2002年のジャパンカップへの出走は、日本におけるチークピーシズの普及に大きく貢献した出来事として記憶されています。その後、種牡馬としても日本を含む世界各国で活躍しました。

華麗なる競走馬時代

2歳でデビューしたストーミングホームは、最初のレースこそ9着と結果を残せませんでしたが、続くレースで初勝利を収めます。その後は、イギリスの主要な競走に数多く出走。ソラリオステークスで2着、キングエドワード7世ステークスで重賞初制覇を果たすなど、才能の片鱗を覗かせました。しかし、ダービーステークスではガリレオに敗れるなど、強豪馬との対戦では苦杯を舐める場面も少なくありませんでした。

4歳時には、コロネーションカップやハードウィックステークスで2着と好成績を収めるものの、G1競走制覇には届きませんでした。しかし、同年、チャンピオンステークスでG1初勝利を飾り、その実力を証明します。そして、念願のジャパンカップへの挑戦。しかしながら、結果は15着と期待を大きく下回る結果に終わりました。

その後、アメリカに移籍。ニール・ドライスデール厩舎所属となり、チャールズウィッティンガムメモリアルハンデキャップでG1を制覇するなど、再び輝きを取り戻します。しかし、アーリントンミリオンでは入線1着ながら降着という悔しい経験もしました。ブリーダーズカップターフを最後に競走馬生活に幕を閉じました。

種牡馬としての歩み

2004年、シャドウェルスタッドで種牡馬入りしたストーミングホーム。初年度の種付料は1万ポンドでした。海外で産まれた産駒の中には、G1競走を制した馬も2頭存在します。その後、ナナリースタッドを経て、2007年には日本へと渡り、ダーレージャパンスタリオンコンプレックスで繋養されることになりました。

日本での供用開始は翌年。初年度の種付料は250万円でした。2011年には日本での初年度産駒がデビュー。マコトブリジャール（福島牝馬ステークス、クイーンステークス優勝）やストーミーワンダー（地方重賞複数制覇）など、地方競馬で活躍する産駒を輩出しました。しかし、中央競馬で重賞を制した産駒は現れませんでした。

その後、イーストスタッド、クラックステーブルと繋養先を変えながら種牡馬としての役割を担いましたが、2020年には用途変更となり、その後の消息は不明です。

チークピーシズ普及への貢献とエピソード

ストーミングホームは、神経質な性格で知られていました。5歳時のアーリントンミリオンでは、レース中に観衆の声援に驚き、大きく斜行して騎手を落馬させてしまうというハプニングもありました。

しかし、2002年のジャパンカップで、当時日本においてはあまり馴染みのなかったチークピーシズを装着して出走したことが話題を呼び、日本の競馬界におけるチークピーシズの普及に貢献したと言えるでしょう。

また、血統面においては、父方の祖父であるミスタープロスペクターの2×3（37.50%）をはじめ、ネイティヴダンサーやナタルマの強いインブリードを持つことが特徴です。ストーミングホーム自身は非常に頑健で、2歳から5歳まで世界各地のレースを転戦しながら、大きな故障をすることなく24戦に出走しました。

まとめ

ストーミングホームは、国際的な活躍を見せた競走馬であり、日本の競馬界にも大きな影響を与えた種牡馬でした。その生涯は、華々しい勝利と惜敗、そして種牡馬としての成功と課題が複雑に絡み合った、波瀾万丈な物語と言えるでしょう。その名を残す数々の産駒と、チークピーシズの普及という功績は、これからも競馬史に刻まれていくことでしょう。

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