スネアーズ諸島

スネアーズ諸島：手付かずの自然が残る孤高の島々

スネアーズ諸島は、ニュージーランド南島の南西方約200kmに位置する無人島群です。正式名称は「スネアーズ諸島/ティニ・ヘケ (Snares Islands/Tini Heke)」であり、南緯48度01分30秒、東経166度36分10秒に主島であるノースイースト島が存在します。

世界遺産「ニュージーランドの亜南極諸島」の一部

スネアーズ諸島は、アンティポデス諸島、オークランド諸島、キャンベル島、バウンティ諸島と共に、世界遺産「ニュージーランドの亜南極諸島」として登録されています。これらの島々は、独自の生態系と景観を持ち、地球上で貴重な自然環境を維持しています。

「罠」と名付けられた危険な海域

1791年、ジョージ・バンクーバーによって発見されたスネアーズ諸島は、その航行の危険性から「スネアーズ（snares = 罠）」と名付けられました。しかし、この島々は以前からマオリ族によって知られており、彼らは「Te Taniwha（=The sea-monster = 海の怪物）」と呼んでいました。

捕鯨やアザラシ狩りの影響を受けなかった貴重な自然

他の南極圏の島々と異なり、スネアーズ諸島は捕鯨やアザラシ狩りの影響をほとんど受けていません。そのため、手付かずの自然が色濃く残っており、無脊椎動物のほか、ハシブトペンギンやSnares Island snipe(Coenocorypha aucklandica heugli)といった固有種・亜種の鳥類が生息しています。特に、ノースイースト島は繁殖期には300万羽以上ものハイイロミズナギドリが集まる巨大な繁殖地として知られています。この貴重な生態系を保護するため、島への立ち入りは基本的に禁止されています。

スネアーズ諸島の島々

スネアーズ諸島は、以下の島々で構成されています。

ノースイースト島 (North East Island)：最大の島。
ブロートン島 (Broughton Island)：ノースイースト島南東に位置する、2番目に大きな島。
アラート岩 (Alert Stack)：ノースイースト島南西の小島。
ダプション岩 (Daption Rocks)：ノースイースト島北方の小島。
* ウェスタンチェイン (Western Chain)：ノースイースト島南西に離れた5つの小島。北西からタヒ (Tahi)・ルア (Rua)・トル (Toru)・ファー (Wha)・リマ (Rima) という名で、それぞれマオリ語で1～5という意味を持ちます。

スネアーズ諸島は、その地理的な隔絶性から独自の生態系を育み、貴重な自然環境を維持しています。世界遺産としての価値も高く、未来世代に引き継ぐべき自然の宝庫と言えるでしょう。

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