スノーマン

『スノーマン』について

『スノーマン』（The Snowman）は、1978年にレイモンド・ブリッグズによって出版された魅力的な絵本で、同名のアニメーション作品も存在します。その独特のスタイルは、多くの読者を魅了し続けています。特に特徴的なのは、原作が文字を用いていない点です。

絵本について

この絵本は、イラストのみを用いて物語を表現しているため、翻訳をする必要がなく、様々な言語で出版されるのが容易です。結果的に、世界中で非常に人気のある作品となり、日本でも1978年に『ゆきだるま』のタイトルで出版されました。1998年にはその名を『スノーマン』に改めて再版され、両方のタイトルで今でも購入することができます。

アニメーション版

1982年には、この絵本を基にした26分間のアニメーションが制作されました。ダイアン・ジャクソンとジミー・テルアキ・ムラカミの両監督のもと新設されたチャンネル4で、クリスマス・イヴに放送されました。アニメーションも原作同様にキャラクターには台詞がなく、視覚的要素と音楽による演出が主な特徴です。オープニングのナレーションはデヴィッド・ボウイが担当し、作品の雰囲気を引き立てました。

音楽はハワード・ブレイクによって作曲され、シンフォニア・オブ・ロンドンによって演奏されました。特に「ウォーキング・イン・ジ・エアー」という曲は、スノーマンと少年が空を飛ぶ場面で流れ、大ヒットとなりました。1983年にはアカデミー短編アニメ賞にノミネートされる栄誉を受けています。

日本では、1986年11月にビデオテープ、1987年にはビデオディスクとしてリリースされ、驚異的な販売数を記録しました。加えて、1999年にはDVDが、2013年にはBlu-rayも発売されました。

グッズ展開

『スノーマン』は絵本やアニメーションにとどまらず、さまざまな関連商品が世界中で販売されています。ぬいぐるみやお菓子、カップに手帳など、多岐にわたります。また、1988年と1989年にはアヲハタのチルドスープのCMにも使用され、多くの人に親しまれました。さらに、1995年にはPlayStation用のCD-ROMとして、絵本を読み進めながらミニゲームを楽しめる形で発売されています。

あらすじ

物語は、一面の雪に包まれた冬の日に名も無き少年が雪だるまを作るところから始まります。その夜、時計が12時を指すと、雪だるまが命を得て、少年と一緒に楽しいひとときを過ごします。他の大人たちを起こさないように気をつけながら、自宅でおもちゃを使って遊びました。やがて二人は冒険に出かけ、オートバイに二人乗りして楽しく過ごします。

物語が進むにつれて、二人は手を取り合って空へ飛び立ちます。近所の家々を飛び越えた後、北極に向かう途中で様々な人々と出会います。北極に到着すると、雪だるまが催すパーティーで大歓迎を受け、少年はサンタクロースからマフラーのプレゼントをもらいます。その後、再び空を飛んで自宅に戻り、玄関先で雪だるまと別れを告げて眠りにつきます。

翌朝、少年は雪だるまに会おうと向かいますが、そこには溶けて消えた雪だるまの跡だけが残っていました。しかし、少年のポケットにはマフラーが残されており、夢のような出来事だったのかもしれません。彼の心の中には、雪だるまとの思い出が深く刻まれているのです。

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