スバル・ビッグホーン

ビッグホーン (BIGHORN)

ビッグホーンは、かつていすゞ自動車が製造し、富士重工業（現在のSUBARU）が販売していたスポーツ用多目的車（SUV）です。この車両は1988年から1993年にかけて生産され、合計で2世代にわたるモデルが登場しました。

概要

ビッグホーンは、日本国内におけるいすゞのOEM供給モデルの一つであり、同時期に本田技研工業が販売していたホライゾンとは異なり、スバル版のビッグホーンは、エンブレムがSUBARUと記載されている以外は、外観や仕様においていすゞ製のものと全く同じでした。これにより、スバルは本車の販売に力を入れることが少なく、いすゞからのOEM供給による存在意義も薄かったとされています。

スバルは、もともと4WDを中心とした乗用車を展開しており、特にラリーでの勝利実績が多かったため、ユーザーが特にクロスカントリー車を選ぶ必要性は低かったと考えられています。その後、スバルはクロスオーバーSUVを展開するようになり、レガシィグランドワゴンを経て、フォレスターの登場に至ります。

日本自動車史において、他社からOEM供給を受けた車両としてビッグホーンの例が後に類似する事例を持たず、2019年にトヨタ自動車がダイハツ工業製のダイハツ・コペンを販売するまでは特異な存在でありました。

初代ビッグホーン (1988年-1992年)

初代ビッグホーンは1988年11月に登場しました。これはRVブームの真っ只中に、クロカン車をすぐにラインアップに加えたいといういすゞのニーズに応えた結果、いすゞからのOEM供給によって販売されることになりました。モデルはロングボディとショートボディの二種類が用意され、駆動系には2800ccのディーゼルターボエンジンが搭載される5速マニュアルと4速オートマチックの選択が可能でした。グレードはイルムシャーの一つだけでした。

2代目ビッグホーン (1992年-1993年)

1992年には、いすゞにおいてモデルチェンジが行われ、ビッグホーンも2代目へと移行しました。新型は3200cc DOHCガソリンエンジンと3100ccディーゼルターボエンジンが搭載され、駆動系には5速MTまたは4速ATが選ばれました。すべてのモデルがロータスがチューンした特別仕様であったため、その走行性能は高く評価されました。しかし1993年には、いすゞとのOEM契約が終了することに伴い、ビッグホーンの販売はとうとう終了を迎えることとなります。

脚注

ビッグホーンには、いすゞのビッグホーンとホンダのホライゾンという姉妹車が存在します。これらの車両はビッグホーンと同様にクロスカントリー性能を追求したモデル群であり、特に日本市場での競争力を持つ存在でした。

さらに詳しい情報については、当時のカタログや関連資料を参照することができます。

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