スバル・EA型エンジン

スバル・EA型エンジンの概要

スバル・EA型エンジンは、富士重工業（現・SUBARU）が開発した水冷式の水平対向4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、1966年に発売されたスバル・1000という普通自動車に搭載される形で初めて登場しました。その後の発展型として、スバル・アルシオーネに搭載されたER27型の水平対向6気筒エンジンも併せて考慮されます。

EA型エンジンは、特にその先進的な設計によって、スバルの車作りに大きな影響を与えました。水冷式であり、シリンダーヘッドには吸排気それぞれに1本ずつのバルブを持ち、8バルブ構成を採用しています。また、アルミニウム製のシリンダーヘッドとブロックを使用することで、軽量化が実現されました。

このエンジンは、スバル・1000やその後のモデルで使用され、特に四輪独立懸架サスペンションと組み合わさることによって国内ラリーでのパフォーマンスも高く評価されました。EA型エンジンは1966年から1994年まで、生産の中で主力として広く活躍し続けました。特にEA71型エンジンは、2010年まで公式にFJ1600シリーズで使用されており、その影響力は大きいものがありました。

技術の進化と市場の変化

EA型エンジンは、開発した百瀬晋六の理念である「軽量コンパクトな設計」を追い求め続けました。しかし、1980年代には他社の競合が進化を遂げる中で、独自の設計が近代化の妨げとなってしまう事態が見られました。特にバルブトレーンの技術は進化が遅れ、他社がSOHCエンジンへと移行する中、スバルはOHVレイアウトを保持し続けました。1984年に登場したEA82では一部SOHC化されたものの、主力のEA71は最終的に1994年までOHVのままでした。

この設計にかたくなにこだわったことが、エンジンの高回転数や高出力化の流れに背を向ける結果となりました。その影響で、1980年代のターボ車と競争することが難しくなり、特にEA81Tターボエンジンは高回転域での出力不足を拭えない状況にありました。

EA型エンジンの多様性

EA型エンジンのバリエーションとして、数種類のモデルが展開されました。特にEA82はその中でも注目され、キャブレター型から燃料噴射装置を採用したモデルまで、多彩なバリエーションが存在しました。EA82Tターボエンジンは、EAシリーズの最後のエンジンですが、同時にその技術は後に続くスバル・EJエンジンへと引き継がれることとなります。

さらに、EAエンジンから派生したER27エンジンも存在し、これはスバル・アルシオーネに搭載された6気筒エンジンであり、独特な回転特性を持っていました。しかし、EA型エンジン同様、競争が激化する市場では苦戦を強いられました。

結論

スバル・EA型エンジンは、その高度な技術と独自性が評価され、日本初の前輪駆動車の開発に貢献し続けました。その後のエンジンの発展においても、必然的にスバルの歴史の中で重要な役割を果たしていきました。特に、その影響力と持続力がスバル車の基盤を作り上げたことは間違いありません。これらの特性は、現在のスバル車の性能やデザインにも色濃く反映されています。

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