スピアフィッシング

スピアフィッシングとは

スピアフィッシングは、素潜りやスクーバダイビングを用いて、銛や水中銃で魚を捕獲する水中スポーツの一種です。スピアとは、英語で魚突きに使うヤスを意味します。

スピアフィッシングの特徴

スポーツとしてのスピアフィッシングは、生態系保護の観点から、競技可能な時間、場所、対象魚種、サイズ、捕獲数などが厳密に定められています。これは、漁獲を目的とした銛突きとは異なります。

世界水中連盟が主催する世界選手権をはじめ、欧米やオセアニアでは様々な規模の競技会が開催され、マリンスポーツとして広く親しまれています。

日本におけるスピアフィッシング

日本では、水中銃の使用は各地方自治体の漁業調整規則により規制されており、遊漁者の漁具漁法として認められていない地域もあります。しかし、素潜りで手ヤスを用いて魚を獲ることは、多くの自治体で許可されています。

手銛の使用が認められている地域 (28都府県)

東北: 宮城、秋田、山形（ただし船の使用は禁止）、福島
関東: 茨城、東京
北陸: 新潟、富山、石川、福井、愛知
近畿: 三重（ただし照明器具の使用は禁止）、京都、大阪
中国: 鳥取、島根、岡山、山口
四国: 愛媛（ただし照明器具の使用は禁止）、徳島（ただし照明器具の使用は禁止）、香川（ただし船の使用は禁止）
九州: 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎（ただし船の使用は禁止）、鹿児島

手銛の使用に関して曖昧な条例がある地域 (5県)

青森（発射装置の使用は禁止）
神奈川（夜間および水中眼鏡の使用は禁止）
静岡（水中眼鏡の使用は禁止）
広島（発射装置の使用は禁止）
沖縄（発射装置の使用は禁止）

手銛の使用が認められていない地域 (6道県)

北海道、岩手、千葉、兵庫、和歌山、高知

スピアフィッシングで使用する道具

銛または水中銃（ゴムバンド式または圧縮空気式）
ポールスピア
ハワイアン・スリング
スピアガン
ダイビングマスク
シュノーケル
フィン、ブーツ
ウェットスーツ（またはラッシュガード）
グローブ（手袋）
ウェイト
ナイフ
ダイブコンピューター
ダイブフラッグ付きフロート、ライン
水深計（重要度低）
コンパス（重要度低）

海外の規制

国や地域によってスピアフィッシングに関する規制は大きく異なります。

サイパン、グアム: スピアガン、船、照明器具の使用が認められていますが、自然保護区では一切の捕獲活動が禁止されています。また、持続可能な漁業のために、魚種ごとにサイズ規定があります。
パラオ: スピアガン、船、照明器具の使用はパラオ国民に限定されています。
* 香港: スピアガン、船、照明器具、スクーバの使用が認められていますが、スピアガンは銃刀法で規制されています。

スピアフィッシングの世界的な広がり

手銛の使用は、日本の一部地域を除く世界の約200か国で認められています。水中銃の使用も、日本、中国、バハマ、モルディブを除く世界各国で許可されています。

競技施設

スピアフィッシングの競技は、オープンウォーターで競技エリアを定めて行われます。網などによる魚の囲い込みは禁止されています。

海外大会では、水中銃が使用されることが一般的で、大会ごとにルールが異なります。例えば、漁獲した魚の総重量を競う場合や、最も重い数匹の合計重量を競う場合があります。禁止魚種は、エイ、サメ、カメなどの保護種に加え、地域に適した魚種が設定されます。

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