スピード (BUCK-TICKの曲)

BUCK-TICKの「スピード」

「スピード」は、1991年1月21日にリリースされた日本のロックバンドBUCK-TICKによる楽曲で、彼らの3枚目のシングルです。この曲は、ビクター音楽産業のInvitationレーベルから出され、作詞は櫻井敦司、作曲は今井寿が担当しており、自己プロデュースによるものです。これは彼らのオリジナルアルバム『狂った太陽』からの先行シングルとなっていて、オリコンチャートでは最高3位に輝きました。

制作背景とレコーディング

「スピード」が収録されているアルバム『狂った太陽』のレコーディングは、1990年9月から11月の間にビクター青山スタジオで行われました。当初は10日間の予定であった今井のギター録音が、25日もかかる事態となり、その間に他のレコーディングやリハーサルも重なり、メンバーは時間に追われる状況に陥っていました。樋口豊はその様子を語り、ヤガミトールは新曲4曲の持ち込みに対し、2曲は認めるとしてもそれ以上は無理だと訴えました。

今回のシングルでは、櫻井が日本語による歌詞に強いこだわりを持って書いたとされています。「スピード」の歌詞中にも含まれる言葉が、特に「女の子 男の子」と直接的に日本語で表現されている点が注目されます。櫻井はこのフレーズが郷ひろみの楽曲を彷彿させると指摘された際、「蝶になれ 花になれ」という歌詞を引用し、山本リンダを参照しました。さらに「スピード」という言葉はメタンフェタミンの俗語としても知られていますが、その歌詞の中に隠された意味やアプローチも興味深いポイントです。

リリースとチャート成績

「スピード」は、リリース時に8センチのCDとカセットテープの2形態で出されたことで、より多くのファンに親しまれました。初回限定版には特典としてプリントフィルムが同封されました。カップリングには、星野英彦による「ナルシス」が収録されていますが、こちらはオリジナルアルバムには収録されていません。

オリコンチャートでは最高3位にランクインし、計180,000枚が売り上げられる大ヒットとなりました。また、2022年に行われたねとらぼ調査隊によるBUCK-TICKのシングル人気ランキングでも5位に選ばれ、未だに多くのファンに支持されています。

ライブ・パフォーマンス

BUCK-TICKは1991年2月1日に放送された音楽番組『ミュージックステーション』で「スピード」を披露しました。このパフォーマンスでは、視聴者から寄せられた質問に対して、櫻井がユーモアを交えた応答をし、スタジオが笑いに包まれる場面もありました。また、2001年12月29日に行った単独コンサートでは、歌詞を一部変更しながら演奏を行い、作品の背後にある世界情勢への配慮を示しました。

カバーと別バージョン

「スピード」は、1992年にリリースされたセルフカバーアルバム『殺シノ調べ This is NOT Greatest Hits』でリアレンジバージョンも収録され、オリジナルに比べてテンポが速くなっています。さらに、他アーティストによるカバーも多く存在し、MCUや9GOATS BLACK OUTなどがその例です。

このように「スピード」は、BUCK-TICKの音楽的な進化を物語る楽曲であり、リリースから数十年経った今でも多くの人々に愛され続けています。

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