スベンスカ・ハンデルスバンケン

スベンスカ・ハンデルスバンケン：スウェーデンを代表するグローバル銀行の軌跡

スベンスカ・ハンデルスバンケン（Svenska Handelsbanken AB、以下Handelsbanken）は、スウェーデン王国ストックホルムに本社を置く、国際的に事業を展開する大手商業銀行です。スウェーデンの主要銀行の一つとして、国内外で幅広い金融サービスを提供しています。資産運用や生命保険といった事業にも取り組んでおり、ナスダック・ストックホルムにも上場しています。

創業から第一次世界大戦まで：揺籃期の成長と発展

Handelsbankenは1871年、ストックホルム旧市街で「Stockholms Handelsbank」として設立されました。設立メンバーには、当時、有力銀行であったストックホルム・エンスキルダ・バンケンの紛争で辞職したメンバーも含まれていました。設立から間もなく、Handelsbankenはストックホルム有数の銀行として成長し、1873年にはストックホルム証券取引所に上場を果たします。

その後、1893年にはLouis Frænckel率いる銀行との経営統合を行い、規模を拡大しました。この期間には、公証人制度の開始（1896年）、有価証券の取扱開始（1899年）、Julius Geber & Co banking companyとの合併（1906年）など、重要なマイルストーンを達成し、国際的な取引を扱う銀行へと発展を遂げます。

第一次世界大戦中、Handelsbankenはスウェーデン中部・北部の中小銀行を次々と合併し、急速な店舗網の拡大を進めました。わずか3年で店舗数は3倍以上に増加し、1918年にはヨーテボリとマルメに店舗を開設、全国規模の銀行へと成長を遂げます。そして1919年、現在の名称である「スベンスカ・ハンデルスバンケン」に改称しました。

戦間期から第二次世界大戦後：堅実経営と成長戦略

第一次世界大戦後の戦時不況の影響を受け、1922年には創業以来初めて赤字決算を経験しますが、1920年代後半には回復基調を取り戻します。世界恐慌時には、慎重な経営判断によって収支悪化を回避。その堅実な経営姿勢は、Handelsbankenの強みの一つとなりました。

第二次世界大戦中の1943年には、一時的に持株会社の体制を取ったものの、戦後も他行との合併を継続し、特にストックホルム郊外を中心に店舗網を拡大しました。

1960年代後半には、学生を中心に資本家を批判する世論の高まりを受け、Handelsbankenもメディアからの批判に晒され、1970年にはCEOが辞任するという事態が発生しました。しかし、後任のJan Wallander CEOのもと、店舗数の拡大抑制、地方店舗の自主性向上、収支改善を重視した経営改革を実施。この改革が後の成功の礎となりました。

1980年代以降：国際展開と市場シェア拡大

1980年代後半以降、スウェーデンの金融機関は軒並み収支悪化に陥り、国有化される銀行も出現しましたが、Handelsbankenは主要銀行の中で最も少ない収支悪化にとどまり、結果として国内市場シェアを拡大することに成功しました。

1980年代以降は、法人需要をターゲットにした国際展開を積極的に推進。1990年代にはデンマーク、ノルウェー、フィンランドでの事業拡大に伴い組織再編を実施し、事業基盤を強化しました。1999年にはイギリスに進出し、2016年にはイギリスで200店舗を突破するなど、スウェーデン国外では最大の店舗数を誇るまでに成長しています。現在ではヨーロッパ各国に加え、アメリカ合衆国、シンガポール、中国など、世界14か国で事業を展開するグローバル銀行へと発展を遂げています。

Handelsbankenは、創業以来、堅実な経営と着実な成長を続け、スウェーデンの経済発展に大きく貢献してきた、歴史ある銀行です。その歴史と経営戦略は、現代の金融業界においても多くの示唆を与えてくれます。

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