スペース・トルネード・オガワ

スペース・トルネード・オガワ（STO）とは

スペース・トルネード・オガワ（STO）は、日本のプロレスにおける特殊なテクニックで、略称はSTO（エス・ティー・オー）です。日本では「竜巻谷落とし」として知られています。この技は、柔道からプロレスに転向した小川直也によって開発され、当初はその威力と説得力から試合の流れを変える力を持っていました。

技の概要

STOは、柔道の大外刈を基にし、プロレス特有のラリアット、リストクラッチ、さらには相撲の浴びせ倒しといった要素を組み合わせた独特の技術です。技を繰り出す際、選手は相手の首を固定し、逆側の腕で相手の片腕を掴みます。そこから、大外刈のように自分の足で相手の足を刈り上げ、後ろに倒すという動作が行われます。この際、選手の体重を利用して相手を押し倒し、最終的に後頭部や背中をマットに叩きつける形になります。

この技の特徴は、選手の体重をしっかりと乗せることでダメージが強化される点です。また、相手の首が固定された状態で重心を崩されるため、受け身を取ることが非常に難しいという特性も持っています。実際、初期のSTOはその威力が強力で、多くのレスラーが被害を受けました。橋本真也は引退試合で高須クリニックによる6連続STOに敗れ、完全にノックアウトされた過去があります。また、藤原喜明も小川との試合で4連続STOを受け、意識を失ってしまうほどのインパクトを与えられました。山崎一夫が技を受けた際には、マットへの衝撃音が会場の外まで響き渡りました。

技の進化とバリエーション

後に小川は技を改良し、以前の威力を抑えたバージョンを生み出します。この新しいSTOは、払腰の動作を取り入れることによって、相手へのダメージを軽減するよう設計されています。このように、元々のSTOは「危険度が高すぎる」との理由から、改良されることになり、原型STOや元祖STOと呼ばれることもあります。

主な使用者と派生技

STOを使用するレスラーとして代名詞的な存在の小川直也のほか、様々な選手がこの技をアレンジして使用しています。黒影は武者狩りという名前で、星野勘九郎は勘九郎カッターとして、野崎広大はSTN（スペース・トルネード・ノザキ）と扱っています。またシュガー佐藤は白虎、ミス・モンゴルはSTM（スペース・トルネード・モンゴル）、渡辺えりかはえりりんカッターという具合に、それぞれ独自の呼称を持つ技として展開されています。

さらに、STOに関連した派生技も存在します。例えば、STOボンバーは小川が考案した技で、アックスボンバーと融合させたものです。また、複数の技が組み合わさった刈龍怒や、踏み込んで仕掛ける俺ごと刈れは、特に注目される技の一つです。これらの技は、時にはタッグパートナーへのダメージを伴うような高リスクの要素を含んでいます。

結論

スペース・トルネード・オガワは、その革新性と威力から、多くのプロレスラーに受け入れられ、新たな技術を生む原動力となってきました。これにより、プロレス界での技の幅が広がり、試合観戦の楽しみも増しています。小川直也がもたらしたこの技は、現在でも多くの選手に影響を与え続けているのです。

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